開講所属全学共通
時間割コード12311201
授業科目名近代日本の歩み
授業科目名(英文)
科目区分人間と文化
担当教員大島 明秀
開講年次1年生
学期・曜日・時限前期 水曜日 3時限
単位数2


概要
歴史を学ぶということは、過去の事例を通じて、現在および未来をどのように構築していくかを考える営為である。日本がいわゆる江戸期の体制から脱却し、日本型オリエンタリズムを獲得しながら「脱亜入欧」を目指した近代(明治以降)の歩みの理解を目標とする一方で、現在の東アジアをめぐる問題の歴史的な根深さを捉え、解決へ取り組む手がかりを模索することも課題としたい。
到達目標
資料・情報収集方法を習得すること。
柔軟で多角的な分析視点を習得すること。
歴史の深さや、過去と現在との繋がりを理解すること。
履修上の注意
「世界史としての日本史」という視点から講義を展開するため、従来の枠組みや「常識」に捉われない柔軟で幅広い視野と貪欲な知的好奇心が必要となる。出来事が起こった原因、背景および経緯の理解と考察を重視し、過去の事例を現在の社会問題に引き付けて考える姿勢を希望する。小テストと期末テストを実施する。途中二者面談も行うため受講制限(100人)。
授業計画
1 ガイダンス~「アジア」という言説~
内容:ミシェル・フーコーが唱えた「言説」を踏まえ、様々な歴史事項、とりわけ「アジア」を言説として捉えなおす。
2 「鎖国」体制と華夷秩序
内容:「鎖国」を言説として捉えながら、近世日本の体制と国際関係を東アジアの体制から理解する。
3 日本の見た世界と世界の見た日本
内容:近世日本が異文化をどのように認識し、一方で、外国が日本をどの認識していたのかを理解する。
4 「鎖国」体制下における西洋科学の受容
内容:近世日本と西洋との交流の中でどのような科学技術がもたらされたのか、また、どのように日本独自の展開を繰り広げたのかを理解する。
5 西洋の植民地活動とオリエンタリズム (1)
内容:世界史的な視座から、ヨーロッパと中国の歴史を踏まえつつ、東西交流の端緒と原因、そしてその展開を理解する。
6 西洋の植民地活動とオリエンタリズム (2)
内容:大航海時代の活動を踏まえ、ヨーロッパで芽生えたオリエンタリズムについて理解を深める。
7 ダーウィン「進化論」の登場
内容:オリエンタリズムの展開とダーウィン「進化論」を踏まえ、近代アジアに対するヨーロッパの眼差しと行動原理を理解する。
8 新政府による琉球、蝦夷地の領土化
内容:日本型オリエンタリズムという視座から、近代日本が行った蝦夷地、琉球国の領土化について理解を深める。
9 自由民権運動と不平等条約の改正
内容:西洋型社会への移行を踏まえつつ、とりわけ自由民権運動と不平等条約の改正について理解を深める。
10 内地雑居問題~出嶋、唐人屋敷、居留地~
内容:近世と近代の対外関係を対比しながら、日本が異文化をどのように認識し、対応してきたのかについて理解する。
11 日清、日露戦争と近代日本のアイデンティティ
内容:日清、日露戦争を契機に、日本の行動やアイデンティティがどのように変わるのかを理解する。
12 ドイツおよび日本における標準語の創出
内容:日本とドイツを例に、近代国家に必需である標準語の創出過程について理解する。
13 歴史とは誰のものか~国史学の誕生~
内容:日本が導入した歴史学と、そこから誕生した国史学を、日本型オリエンタリズムの視座から理解を深める。
14 帝国日本の膨張~同化と疎外~(1)
内容:日本が植民地とその人々をどのように処遇したのか、また、日系人の誕生過程について理解を深める。
15 帝国日本の膨張~同化と疎外~(2)
内容:近代日本が行った異文化に対する対応と、現代ドイツの「統合政策」を踏まえ、多文化共生について考察する。
予習・復習
について
【予習】
名前を挙げた参考文献を、各種図書館や様々な研究室などで借りるなどして、目を通してください。

【復習】
本講義では歴史の背景、プロセス、理解、複数視点などを重視し、年表の羅列的記憶は一切尊重しません。よって授業中にとったノートをもとに受講者同士で議論し、まとめなおす作業をしてください。また、オフィス・アワーなどの時間を利用して研究室まで積極的に質問に来てください。
使用教材
教科書は特に使用しない。適宜、レジュメを配布する。ノートを用意してください。
参考文献
Stefan Tanaka: Japan’s Orient, University of California Press, c1993.
Edward W. Said: Orientalism, Vintage Books ed., c1994.(日本語訳は、今沢紀子訳『オリエンタリズム』、平凡社、1993年)
イ・ヨンスク『「国語」という思想』(岩波書店、1996年)
ロナルド・トビ『「鎖国」という外交』(小学館、2008年)
フェリペ・フェルナンデス=アルメスト著、長谷川眞理子訳『人間の境界はどこにあるのだろう?』(岩波書店、2008年)
大島明秀『「鎖国」という言説』(ミネルヴァ書房、2009年)
単位認定
の方法
平常点25%、小テスト10%、期末テスト(ノート持ち込みあり)65%、その他+αを総合して評価する。
成績評価基準
日本の歴史を世界史の中で理解できているか。近世から近代への移行の意味と体制・状況変化を理解できているか。
その他1
その他2
参考URL