開講所属全学共通
時間割コード12312201
授業科目名現代世界と歴史
授業科目名(英文)
科目区分人間と文化
担当教員大島 明秀
開講年次1年生
学期・曜日・時限後期 水曜日 3時限
単位数2


概要
帝国日本が断行した数々の政策と歩みを確認しながら、敗戦国として復興の道を模索した戦後日本の営為と軌跡を、複数の視点から見ていく。また、戦後ドイツとの比較を通して、戦争責任や外国籍者受け入れなど現代日本が直面している諸問題について考えることも課題とする。
到達目標
資料・情報収集方法を習得すること。
柔軟で多角的な分析視点を習得すること。
自身で課題設定ができること。
歴史の深さや、過去と現在との繋がりを理解すること。
履修上の注意
「世界史としての日本史」という視点から講義を展開するため、柔軟で幅広い視野と貪欲な知的好奇心が必要となる。重視するのは年表の羅列的な記憶ではなく、出来事が起こった原因、背景および経緯の理解と考察である。それに加えて、過去の事例を現在の社会問題に引き付けて考える姿勢を希望する。小テストと期末テストを実施する。途中二者面談も行うため受講制限(100人)。なお、前期に「近代日本の歩み」を受講していることが望ましい。
授業計画
1 ガイダンス~「日本」という言説~
内容:ミシェル・フーコーが唱えた「言説」を踏まえ、様々な歴史事項、とりわけ「日本」を言説として捉えなおす。
2 <外地>への進出と統治
内容:日本の近代化政策とその背景となる世界史的動向を踏まえ、日本型オリエンタリズムという視座から、植民地活動を理解する。
3 1940年代の日本社会
内容:ミシェル・フーコーが唱えた「パノプティコム」を踏まえ、日本とドイツを比較しながら、当時の体制について理解を深める。
4 近代小学校と教科書の変遷
内容:近代化政策の中で学校制度が創設された経緯と、そこで行われた教育について、当時の教科書を用いて理解を深める。
5 「国語」と「日本語」の差異
内容:言説論の視座を踏まえつつ、現代の日本で、<日本人>が「国語」を学び、<外国人>が「日本語」を学ぶ理由を、歴史的経緯に理解する。
6 日独の同盟とユダヤ人
内容:日独伊三国同盟成立を踏まえつつ、とりわけ日本とドイツが国際社会から孤立していった歴史的経緯を理解する。
7 大東亜共栄圏の構想と「九州」
内容:「アジア」を言説として捉えつつ、「大東亜共栄圏」がいかなるものであったのかについて理解を深める。
8 第二次大戦とその終結(1)
内容:「ポツダム宣言」を踏まえつつ、第二次世界大戦の経緯と展開、そしてその終結について理解する。
9 第二次大戦とその終結(2)
内容:ニュルンベルグ裁判における「戦争犯罪人」の定義を踏まえつつ、第二次世界大戦後の処理について理解を深める。
10 「在日朝鮮人」の誕生
内容:植民地期の朝鮮にルーツを持つエスニック集団の存在を踏まえつつ、それがどのような経緯で誕生したのかを理解する。
11 民族学校の設立と朝鮮戦争
内容:植民地期朝鮮の状況と朝鮮戦争を踏まえつつ、日本における民族学校の設立経緯について理解を深める。
12 日鮮同祖論から単一民族神話へ
内容:言説論の視座を用いて、第二次世界大戦の前後で、<日本人>の自己像がどのように変わるのかを理解する。
13 琉球と沖縄
内容:近代日本による琉球国の領有化とGHQによる占領を踏まえつつ、沖縄が辿った近現代史について理解を深める。
14 家族とジェンダー
内容:「家族」に対する眼差しを言説として捉え、「家族」や「ジェンダー」が歴史の中でどのように捉えなおされてきたのかを理解する。
15 ドイツの戦後と日本の戦後
内容:ドイツと日本の戦前・戦後を比較しながら、その戦後処理や「多文化共生」の在り方について理解を深める。
予習・復習
について
【予習】
名前を挙げた参考文献を、各種図書館や様々な研究室などで借りるなどして、目を通してください。

【復習】
本講義では歴史の背景、プロセス、事後状況の理解、ならびに複数視点などを重視し、年表の羅列的記憶は一切尊重しません。よって授業中にとったノートをもとに受講者同士で議論し、まとめなおす作業をしてください。また、オフィス・アワーなどの時間を利用して研究室まで積極的に質問に来てください。
使用教材
教科書は特に使用しない。適宜、レジュメを配布する。ノートを用意してください。
参考文献
大沼保昭『「歴史認識」とは何か』(中央公論社、2015年)
高橋源一郎『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新聞社、2015年)
小熊英二『単一民族神話の起源』(新曜社、1995年)
小熊英二『<日本人>の境界』(新曜社、1998年)
高橋哲哉『靖国問題』(ちくま新書、2005年)
安田敏朗『「国語」の近代史』(中央公論社、2006年)
松本常彦・大島明秀編『九州という思想』(花書院、2007年)
大島明秀『「鎖国」という言説』(ミネルヴァ書房、2009年)
ナオミ・クライン;幾島幸子、村上由見子訳『ショック・ドクトリン』(岩波書店、2011年)
堤未果『ルポ貧困大国アメリカ』(岩波新書、2008年)
『歴史教科書 在日コリアンの歴史』(明石書店、2006年)
単位認定
の方法
平常点25%、小テスト10%、期末テスト(ノート持ち込みあり)65%、その他+αを総合して評価する。
成績評価基準
日本の歴史を世界史の中で理解できているか。近代から現代への移行の意味と状況変化を理解できているか。現在の各種社会問題が歴史的な問題にその根源があることを理解できているか。
その他1
その他2
参考URL