開講所属文学部
時間割コード33109401
授業科目名日本語学特殊研究I
授業科目名(英文)
科目区分特殊研究
担当教員米谷 隆史
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 火曜日 3時限
後期 火曜日 3時限
単位数4


概要
1.近世における漢字部首名の変遷(例えば「コザトヘン」はもと「コザル」とも言った。また、「シンニョウ」と「シンニュウ」の語形は現在に至るまで揺れがある)と漢字字書の編纂との2つを明らかにしていく。
2.卒業論文執筆予定の学生には、1に加えて、これまでの日本語史研究の成果の確認と残された課題についても検討を加えてもらう。
到達目標
 近世の字書を主な対象にして字訓や字体の研究を進めて行く際の知識を身につけることを本授業の目的とする。卒業論文執筆予定学生にあっては、これに加え、日本語史上の適宜の問題点を、適切な資料の参照と推論とに基づいて解決する能力を身につけることを目的とする。
履修上の注意
1.3年次の受講は、日本語学関連のテーマで卒業論文を執筆しようと考えている学生であることが望ましい。卒業論文作成と同程度のレベルの課題を課すので、心して臨むこと。
2.卒業論文執筆予定学生の受講は、これまで、日本語学演習や日本語学特殊研究において史的な言語資料の調査を行った経験を有する者であることが望ましい。
3.書籍の取り扱いには細心の注意を払うこと。
授業計画
1.前期は部首名の変遷を検討し、後期は字書間の系統関係を明らかにしつつ、字訓や字体の問題を検討していく。前後期とも開始から2回は米谷が参考資料のガイダンスを行う。

2.調査対象の字書・辞書や往来物を受講者全員で分担し 担当範囲を決定する。

3.各時間の発表担当者は担当範囲について、先後の字書類の記載を比較しつつ、問題点を明らかにする。その後に、当時の日本語の状況などを勘案しつつ、字訓・字体上の特徴・注文の継承・部首名の変化を見つけ、調査報告を行う。

4.全体の予定は下記の通り
1)部首とは何か
2)部首名の歴史-中世文献に見える部首名
3)17世紀の節用集にみえる部首名
4)18世紀前半の節用集に見える部首名
5)18世紀後半の節用集に見える部首名
6)19世紀前半の節用集に見える部首名
7)19世紀後半の節用集に見える部首名
8)17世紀の字書類に見える部首名
9)18世紀前半の字書類に見える部首名
10)18世紀後半の字書類に見える部首名
11)19世紀前半の字書類に見える部首名
12)19世紀後半の字書類に見える部首名
13)17世紀の往来物に見える部首名
14)18世紀の往来物に見える部首名
15)19世紀の往来物に見える部首名
16)中世までの字書-『字鏡集』まで
17)中世までの字書-『和玉篇』まで
18)近世前期刊行字書諸本の概観1-『大広益会玉篇』系統
19)近世前期刊行字書諸本の概観2-『字彙』系統
20)玉篇系統の和訓1-『大広益会玉篇』和刻本
21)玉篇系統の和訓2-『倭玉篇』系統
22)『増続大広益会玉篇大全』の和訓
23)『字彙』系統の和訓1-『字彙』和刻本の和訓
24)『字彙』系統の和訓2-『和字彙』の和訓
25)卒業論文中間発表
26)『増補大広益会玉篇』の和訓
27)『増補大広益会玉篇』の漢文注
28)『文選字引』の和訓と漢文注
29)部首名の変遷に関する調査報告
30)字書の系統関係に関する調査報告

5.先行の論文等を俎上に上げたり、近世以前の資料との比較なども適宜に行う。

6.4年次の受講生は、3年次受講生の作業とともに、各々の卒業論文進行状況に応じて、下記イからホの作業を行っていく。また、イからホの各段階の進行状況を演習形式により報告することとする。
 イ.日本語学各分野の課題の確認
 ロ.自らの研究テーマの設定
 ハ.研究テーマに関する論文の精読と評価
 ニ.研究テーマの学史的な価値の確認
 ホ.研究テーマに関連する方法論の選択とその実践 
予習・復習
について
1.字書に関する研究論文を事前に配布することがあるので、それらの内容を理解した上で授業に臨むこと。また、個々の発表担当時以外でも、全員で文献内の網羅的な調査を課すことがある。
2.担当の発表時に指摘された新たな問題点などについては、次回以降に必ず追加調査の結果を報告することとする。
使用教材
必要な影印等をコピーにて配布する。
参考文献
・『玉篇の研究』岡井慎吾(東洋文庫)
・『近代国語辞書の歩み』山田忠雄(三省堂)
・『漢字講座』佐藤喜代治編(明治書院)
・『朝倉漢字講座』前田富祺他編(朝倉書店)
・『日本語史のインタフェース』金水敏他(岩波書店)
 その他、適宜授業中に指示する。
単位認定
の方法
 十分な授業参加があり、発表を行いレポートを提出した受講生について、到達目標の達成を、発表の内容を60%、他の発表への質問や意見の内容を20%、レポートの形式及び内容を20%の割合で評価して成績とする。
成績評価基準
 発表時やレポート作成時に引用する用例や先行研究が適切な吟味を経たものであるか、また、発表時の説明やレポートの文章が適切な論理構成によってなされ、妥当な結論に至っているかによって評価する。
その他1
その他2
参考URL