開講所属文学部
時間割コード33122301
授業科目名日本語学演習III
授業科目名(英文)
科目区分演習
担当教員米谷 隆史
開講年次2年生
学期・曜日・時限前期 月曜日 4時限
後期 月曜日 4時限
単位数4


概要
 鎌倉時代の説話集『沙石集』(無住 編)の巻七(志香須賀本)所収説話を、諸伝本を校合させつつ読解し、他の同時代資料(宝物集 今昔物語集等)に見る言語状況との比較を行っていくことで、中世前期における言語の諸相を捉えていく。
到達目標
 同時代の古辞書(『類聚名義抄』『色葉字類抄』等)や各種文学作品を参観しつつ、鎌倉時代のテキストを語学的に正確に読解することができる能力を身につけること、及び、各文献に見られる用例を援用しつつ、言語の同時代的な諸相や、言語の変化の過程を口頭・文書にて適切に説明できるようになることを目的とする。
履修上の注意
1.調査対象文献は多岐にわたる。調査に十分な時間をかけることができる学生のみ受講のこと。
2.発表資料の作成と発表にあたっては、客観的なタームを使用し、短時間で効果的に要点を伝達することができるように心掛けてること。
3.本を丁寧に扱うこと。
授業計画
 全体の予定は次の通り。
1)『沙石集』読解のためのガイダンス
2)『沙石集』諸伝本の姿の確認と古辞書概説、及び担当範囲の決定
3)「駿州原中宿女人返与金於本主事」の本文読解
4)「宋朝或下賤夫婦共廉直事」の本文読解
5)「武州或俗士有芳心事」の本文読解
6)「尾州山田次郎重忠愛八重躑躅事」の本文読解
7)「亡父夢告子息返借物事」の本文読解
8)「幼稚子息討父敵事」の本文読解
9)「或俗為母忠孝事」の本文読解
10)「或童為育母盗仏物事」の本文読解
11)「或僧為母捕魚事」の本文読解
12)「為母売身事」の本文読解
13)「祈請亡母生所所事」の本文読解
14)「駿州原中宿女人返与金於本主事」をめぐる考察と発表
15)前半の発表を終えての総括
16)「宋朝或下賤夫婦共廉直事」をめぐる考察と発表
17)「武州或俗士有芳心事」をめぐる考察と発表
18)「尾州山田次郎重忠愛八重躑躅事」をめぐる考察と発表
19)「亡父夢告子息返借物事」をめぐる考察と発表
20)「幼稚子息討父敵事」をめぐる考察と発表
21)「或俗為母忠孝事」をめぐる考察と発表
22)「或童為育母盗仏物事」をめぐる考察と発表
23)「或僧為母捕魚事」をめぐる考察と発表
24)「為母売身事」をめぐる考察と発表
25)「祈請亡母生所所事」前半をめぐる考察と発表
26)「祈請亡母生所所事」後半をめぐる考察と発表
27)研究成果報告会① 16~18回分
28)研究成果報告会② 19~21回分
29)研究成果報告会③ 22~24回分
30)研究成果報告会④ 25~26回分

 発表担当者は、テキストの本文を丁寧に現代語訳し、当時の漢字辞書等を参照しつつ、本文のヨミを確定する。その上で、担当範囲の中から自らが見つけた問題について、諸テキストと同時代文献の用例を確認した上で資料を作成し、史的解釈を発表する。調査に不足があった場合は次回以降に補うこととする。
 学期末の4回は研究成果報告会として、各自の調査内容の要点を20分程度で発表する機会を持つ。
予習・復習
について
1.発表予定者にあっては、資料に掲出する用例がいかなる文脈で使用されているのかを十分に吟味した上で発表に臨むこと。また、質疑で提示された論点については必ず追加の調査を行うこと。
2.出席者にあっては、発表者が使用した文献や調査の手法について注意深くその適否を考察し、自らの発表に活かすこと。
使用教材
『沙石集』各伝本(志香須賀本・元応本・古活字本他)
いずれもコピーにて配布します。
参考文献
『慶長十年古活字版沙石集総索引』深井一郎 勉誠社
『『沙石集』諸本の成立と展開』土屋有里子 笠間書院
『沙石集の構造』片岡了 法蔵館
いずれも研究室に配架。その他の文献は適宜授業中に指示する。
単位認定
の方法
十分な授業参加があり、レポートを提出した受講生について、発表資料の形式や発表の内容を60%、他の担当者に対する質問や発言状況を20%、レポートの内容を20%として評価する。
成績評価基準
用例に基づく調査と分析から妥当な立論を行っていることを以て合格の最低ラインとし、各種文献の資料性の理解、発表資料構成の工夫、立論の発展性、以上3点の水準によって加点分を判断する。
その他1
その他2
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