開講所属文学部
時間割コード33126301
授業科目名近代文学演習IIIa
授業科目名(英文)
科目区分演習
担当教員五島 慶一
開講年次2年生
学期・曜日・時限前期 木曜日 2時限
後期 木曜日 2時限
単位数4


概要
 芥川龍之介の小説作品複数を取り上げ、演習形式で進めてゆく。すなわち受講者は自らの担当作品に関して事前に精読、内容に関する調査を行い、当日は各自で作成した資料を配布して発表を行う。次いで受講者全員参加による討議(質疑応答)に移る。

 年間の授業展開は前後半と、それに先立つ準備段階の講義、計三部構成で考えている。

 前半は前年度扱った「地獄変」(『大阪毎日新聞』夕刊 大正七〔一九一八〕年五月一日~二十二日、『東京日日新聞』同年同月二日~二十二日)の続編である「邪宗門」(『大阪毎日新聞』夕刊 大正七〔一九一八〕年十月二十三日~十二月十三日、『東京日日新聞』同年十月二十四日~十二月十八日)を精読する。同作は「王朝物」と呼ばれる、芥川の一種独特の歴史小説群の中で要もしくはその集大成と位置付けることのできる作品であり、壮大なスケールをもって描かれた(はずの)、著者初の長篇の試みである。王朝期という古典素材を、近代文学の形式で表現した同作を素材として用いることで、文学研究における両時代領域に共通する学問的手法(校異・注釈・典拠・立論など)の基本を学ぶ場としたい。

 後半は「邪宗門」と同時期すなわち大正六(一九一七)年後半から大正七(一九一八)年末までに執筆された芥川作品複数を取り上げ、原則一回の授業につき一作品という形で進めてゆく。その際には、前半で学んだ注釈的作業を意識すると共に、併せてそれに対する自らの見解すなわち立論をも行うことを意識したい。

 上記演習に先立ち、演習授業に関する一般的な注意、芥川龍之介「龍」(『中央公論』大正八〔一九一九〕年五月)を素材とした担当者によるデモ発表を講義形式で行う予定である。
到達目標
 授業の内容的なテーマとしては、芥川の前期作品の精読を重ねることで、それら総体を貫くものの抽出や、一群の作品を作家の執筆史の中に位置づける途が見えてくれば、というようなことを考えているが、より大きな目的としては、受講者諸君に一年間の授業を通じて、近代文学研究における文献調査の方法・論の立て方・発表の様式、また質疑応答のあり方等を身につけてもらうことにある。
履修上の注意
 自分(ら)の発表準備をしっかりやることはもちろんだが、その他の回においても予定(指示)された本文・資料をしっかりと読み込んでおき、当日は積極的に発言することが望ましい。
 発表に際しては、できるだけ早めに準備を行い、当日は各自で配布資料を用意・持参すること。

 四年次、近代文学領域で卒業論文を執筆しようとする者は、本授業もしくは「近代文学演習○b」(木村先生担当)のいずれかを、二~三年次に於いて継続履修することが望ましい。
授業計画
 言うまでもなく、授業は前後半ともに演習形式で進めてゆく。すなわち受講者は自らの担当箇所に関して事前に精読、語や事項に関する調査、その部分についての解釈・考察を行い、授業当日は各自で作成した資料を配布して発表を行う。次いで受講者全員参加による討議(質疑応答)に移る。
 
 後半の対象作品は、下記「使用教材」欄に掲げた文庫本収録作の中から、次の諸作を候補として予定している。

  「或日の大石内蔵助」「片恋」「首が落ちた話」「袈裟と盛遠」「蜘蛛の糸」「開化の殺人」「奉教人の死」「るしへる」「枯野抄」「毛利先生」「犬と笛」「開化の良人」「運」「道祖問答」「袈裟と盛遠」「往生絵巻」「好色」「藪の中」「六の宮の姫君」「二人小町」


1  ガイダンス(授業の進行について、ほか)
2  演習事前指導(調査項目と調査方法についての説明、など)
3~5  「龍」を素材とするデモンストレーション発表
   ※ ここまでの間に前半担当箇所(発表順)を決定する。
6~14 「邪宗門」を素材に、受講者による発表・全体討議
15   前半のまとめ・後半の担当決めなど
16   再度演習に関する諸注意、ほか
17~28 上記作品について、受講者による発表・全体討議
29   発表予備、演習総評
30   総まとめ、場合により補足

※ 上記は授業進行の目安である。担当(分担)の仕方、演習の進め方などの詳細は、受講者数が判明してから再度調整して出席者に通知する。同時に、進行の都合を見て、中途で細部を変更することもありうる。
予習・復習
について
 自らの発表に向けて、十分な準備をして当日に臨むこと。
 担当以外の箇所・作品についても(発表担当者から事前に指示された資料がある場合はそれも併せて)、しっかりと読みこんでくること。
使用教材
『芥川龍之介全集2』 (ちくま文庫 864円) 
他にプリントを適宜配布。
参考文献
庄司達也編『芥川龍之介ハンドブック』(鼎書房 2016再版 1,944円)
→購入して常に手元に置くことを推奨する。購入の際は五島まで(割引有り)。

『芥川龍之介全集』(岩波書店 1995~1998 全24巻)
長野甞一『芥川龍之介と古典』(勉誠出版 2004)
志村有弘編『芥川龍之介大事典』(勉誠出版 2002)
関口安義・庄司達也編『芥川龍之介全作品事典』(勉誠出版 2000)
小町谷照彦・倉田実編著『王朝文学文化歴史大事典』(笠間書院 2011)
 
 他は授業の中で示す。
単位認定
の方法
発表内容・レポート、及び授業への参加状況・態度による綜合評価。
成績評価基準
他の受講者の発表に対して発言するなど、積極的に授業に臨んでいるか、発表にはきちんと準備をして臨んだか、などを考慮に入れつつ、最終的に提出されたレポートの水準を以て評価を行う。
その他1
その他2
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