開講所属文学部
時間割コード33161101
授業科目名日本語教授法I
授業科目名(英文)Methodology of Teaching Japanese as a Foreign Language I
科目区分学部共通科目
担当教員馬場 良二
開講年次1年生
学期・曜日・時限前期 水曜日 1時限
単位数2


概要
外国人に日本語を教えるためには、人間の言語音声、日本語の音声を客観的に聞き取り、記述、分析できる能力が必要です。この能力を養成します。また、国際音声学会の音声字母(IPA)と実験音声学的な音声分析の方法を学びます。
到達目標
1. 実験音声学的な分析データを読み取る基礎を身につける。
2. 思いどおりの音調で発話、文章の音読ができるようになる。
3. 音声字母(IPA)で表記された日本語音声を理解し、音声化できるようになる。
4. 長音、促音、撥音、無声化母音の音声学的な実態を把握する。
5. 母音の無声化と音調とが互いに補い合う関係を理解する。
6. 日本語と諸外国語の音声との比較対照をとおし、「音声」と「音素」との関係を理解する。
履修上の注意
実験音声学の手法で音声を分析し、波形やピッチ曲線、スペクトログラムを見ながら授業を進めます。この授業で目指しているのは「訓練」であり、「能力の養成」です。講義内容のひとつひとつをその場で理解し、身につけていくことが要求されます。予習、復習をおこたらず、毎回の授業に集中してください。専門用語は各自でよく調べること。ただ聞いてノートを取っているだけでついてこられるような授業はしません。
 簡単に単位は出しません。単位がほしいだけの学生や日本語教育に興味のない学生は履修しないでください。
 与えられた課題は、必ずやってくること。
授業計画
第1回 この授業の授業計画、成績のつけ方、2年次から実施される日本語教育実習について説明します。また、日本語教育で卒業論文、修士論文を書いた学部卒業生と大学院修了生の進路について紹介します。ビデオシリーズ『日本語授業の実際』の中から「発音の指導」を見ます。
 [課題]明瞭で聞き取りやすい発音で、「はじめまして。○○××です。どうぞよろしく。」と自己紹介する練習をしてくる。
第2回 教室で、学生の音声「はじめまして。○○××です。どうぞよろしく。」を録音し、音声分析ソフトで分析します。また、声道の構造と各部位の名称を覚えます。
 [課題] 「そうですか」を、気軽にたずねる、感心して、疑って、無関心、がっかりして、軽いあいづち、の6種類の感情で発音する練習をしてくる。
第3回 6種類の「そうですか」を発音してもらい、音声分析ソフトで分析します。
 日本語のアクセントの体系を理論的に学び、耳で聞いた時にタキの位置を把握できる能力を養成します。
 [課題]音声を聞いて、音調の上がり下がりを聞き取る練習をしてくる。単語を10個選び出し、そのアクセントを調べてくる。
第4回 アクセントの続きを勉強します。
 [課題]「プロミネンス」とは何か、調べてくる。
第5回 言語要素の切れ目とかかり受け、プロミネンスが音声の高さによってどのように示されるかを観察します。
 [課題]プリント「音調記号をつけてみましょう!!」をやってくる。
第6回 イソップ寓話「北風と太陽」の言語要素一つ一つのアクセントを辞書で調べ、それらが組み合わさり、文となった時にその文全体はどのような音調となるか、考え、記号をつけます。
 [課題]「北風と太陽」のプリントに音調記号をつけてくる。
第7回 「北風と太陽」の音調をみんなで考えます。IPAを覚えます。
 [小テスト]音調記号通りに文章を読む実技テスト。
 [課題]IPAのうちの日本語音声に関係の深いものを覚えてくる。「異音」とは何か、具体例とともに調べてくる。
第8回 IPAを覚えます。「異音」とは何か、学習します。
 [課題]「長音」の入った語を五つノートに書いて持ってくる。
 「拍」と「音節」について調べてくる。
第9回 日本語音声の単位である「拍」「音節」について、また、「長音」の実験音声学的な実態について学びます。
 [小テスト]IPAを覚える。
 [課題]撥音、促音の入った語を五つずつノートに書いて持ってくる。
第10回 「撥音」、「促音」の物理的実態について。
 [課題]母音の無声化について調べてくる。また、「私は学生です」ではどの母音が無声化し、どのような発音になるか考えてくる。
第11回 日本語における無声化母音の実験音声学的実態について。
 [課題]「ミニマル・ペア」「音素」について、具体例とともに調べてくる。
第12回 ミニマル・ペア、音素について勉強し、音素表記を覚えます。
第13回 ポルトガル語、韓国語、中国語、英語の音声と日本語音声を比較し、「音素」「異音」の理解を深めます。
第14回 INTRODUCTION TO MODERN JAPANESEの発音練習を取り上げ、日本語教育で使われる発音教材の実例を見ます。
第15回 まとめ
予習・復習
について
 毎週課題を出します。それが予習です。授業に出席した後は必ずノート、プリントを見直してください。わからないところは、まず自分で調べる、それでもわからなかったら、次の授業のときに質問してください。
使用教材
 自作のプリントを配布します。
参考文献
服部四郎『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=36507" target="_blank">音声学</a>』1951、岩波全書
ベル電話研究所『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=565004" target="_blank">話しことばの科学</a>』1966、東京大学出版会
川上蓁『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=564462" target="_blank">日本語音声概説</a>』1977、桜楓社
Osamu Mizutani and Nobuko Mizutani, <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=681056" target="_blank">INTRODUCTION TO MODERN JAPANESE</a>, 1977, The Japan Times
Osamu Mizutani and Nobuko Mizutani, AURAL COMPREHENSION PRACTICE IN JAPANESE, 1979, The Japan Times
『講座 日本語と日本語教育2 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=576755" target="_blank">日本語の音声音韻</a>(上)』、『講座 日本語と日本語教育3 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=576755" target="_blank">日本語の音声音韻</a>(下)』1990、明治書院
斎藤純男『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=809059" target="_blank">日本語音声学入門</a>』1997、三省堂
音声文法研究会『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=322499" target="_blank">文法と音声</a>』1997、『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=322499" target="_blank">文法と音声 2~5』1999~2006、くろしお出版
田中真一・窪園晴夫『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=729975" target="_blank">日本語の発音教室</a>』1999、くろしお出版
中川千恵子他『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=854617" target="_blank">さらに進んだスピーチ・プレゼンのための日本語発音練習帳</a>』2009、ひつじ書房
単位認定
の方法
 課題の提出率とそのできばえ、および、学期末試験の成績を総合して評価します。成績の悪い学生は落とします。
成績評価基準
 音声学、実験音声学、音韻論の基礎的な知識を身につけ、それらを活用して、音声の分析ができるかを見ます。
その他1
その他2
参考URL