開講所属文学部
時間割コード33161201
授業科目名日本語教授法II
授業科目名(英文)Methodology of Teaching Japanese as a Foreign Language II
科目区分学部共通科目
担当教員馬場 良二
開講年次1年生
学期・曜日・時限後期 月曜日 2時限
単位数2


概要
日本語の書記言語について、客観的に分析することのできる能力を養成します。
到達目標
1. ローマ字、エジプト象形文字、漢字を見ていくことにより、文字とは何かについて知る。
2. 訓令式ローマ字で文章が書けるようになる。
3. 文法用語を覚え、現代日本語の品詞分析ができるようになる。
4. 格助詞、テンス、アスペクト、ヴォイス、モダリティーについて学び、現代日本語を文法的に分析する際の基本を身につける。
5. 指定された文法項目や語句をいれて、場面が適切な例文や会話が作れるようになる。
履修上の注意
この授業で目指しているのは「訓練」であり、「能力の養成」です。講義内容のひとつひとつをその場で理解し、身につけていくことが要求されます。予習、復習をおこたらず、毎回の授業に集中してください。専門用語は各自でよく調べること。ただ聞いてノートを取っているだけでついてこられるような授業はしません。
 簡単に単位は出しません。単位がほしいだけの学生や日本語教育に興味のない学生は履修しないでください。
 与えられた課題は、必ずやってくること。
授業計画
第1回 訓令式のローマ字で文章を書く練習をします。
 [課題]訓令式のローマ字で日記を一日分書いてくる。
第2回 古代エジプトのヒエログリフについて学び、壁画にあるヒエログリフを読みます。
 [課題] 「六書」について調べてくる。明星学園・国語部『にっぽんご7 漢字』の一部を読んでくる。
第3回 日本語の漢字かな混じり文の非合理性について見ます。
 [課題]和語、漢語、外来語をそれぞれ五つずつ持ってくる。
第4回 語種による音声的、形態論的、意味的な特徴と違いについて学びます。
 [課題]プリント「品詞分析」をやってくる。
第5回 品詞分析をします。品詞のラベリングを学ぶと同時に、文を簡単に語に切り分けることのできないこと、品詞や活用形を特定できないことがあることを学びます。
 [課題]「私はりんごが好きです」をいろいろな言語に訳してくる。
第6回 同じ「好きだ」という事象であっても、それを表わす語の品詞が言語によっていろいろであることを観察し、品詞というものについて考えます。
 [課題]「私はりんごが好きです」がごく自然に発話される会話文を作る。意味、用法の異なる格助詞「を」を使った例文を五つ持ってくる。
第7回 格助詞「を」の意味と用法について考えます。
 [課題] 意味、用法の異なる格助詞「で」、「に」を使った例文を五つ持ってくる。
第8回 格助詞「で」、「に」の意味と用法について考えます。
 [課題]「ラ抜き言葉」について調べてくる。「ラ抜き言葉」の例文を三つ持ってくる。井上史雄著の「ラ抜きことばの背景」を読んでくる。
第9回 日本語の乱れの一つとして「ラ抜きことば」があげられています。が、「ラ抜きことば」には、現代における運用においても、歴史的に見ても、日本語という言語の体系から来る必然性があります。この必然性を言語学的に明らかにします。
 [課題]日本語の助動詞「た」を使った例文を五つ持ってくる。
第10回 名詞文、形容詞文、動詞文、ル形とタ形、テンスについて勉強します。
 [課題]九州方言の「~よる/~とる」、東京方言の「~ている」を使った例文を五つずつ考えてくる。
第11回 九州方言の「~よる/~とる」と東京方言の「~ている」とを比較対照しながら、日本語のアスペクトについて考えます。
 [課題]受身文、使役文をそれぞれ三つずつ、そして、「あげる」「もらう」「くれる」をつかった会話文を一つ作って持ってくる。
第12回 具体的な例を見ながら、日本語のヴォイスについて勉強します。
 [課題]短い文を三つと述部の複雑な文を三つ、持ってくる。「これ」、「それ」、「あれ」を使った会話文を作ってくる。
第13回 指示詞や「イク」と「クル」、終助詞「ノ」、「ネ」、複合助詞「~ニタイシテ」、「~ニツイテ」などを見ることにより日本語における「領分」と「方向」について考える。
第14回 文の性質と構造、述部の構造と陳述、そして、文の機能とモダリティーについて学びます。
 [課題]各自の方言の文法的な特徴を示す例文を作ってくる。
第15回 熊本方言を中心に、方言の文法、語句について考えます。
予習・復習
について
 毎週課題を出します。それが予習です。授業に出席した後は必ずノートを見直してください。わからないところは、まず自分で調べる、それでもわからなかったら、次の授業のときに質問してください。
使用教材
 自作のプリントを配布する。
参考文献
[文字、表記関係]
明星学園・国語部『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=291691" target="_blank">にっぽんご5 発音とローマ字</a>』1966、むぎ書房
吉成薫『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=593652" target="_blank">ヒエログリフ入門</a>』1988、六興出版
ステファヌ・ロッシーニ『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=86217"target="_blank">古代エジプト文字入門</a>』1988、河出書房新社
明星学園・国語部『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=291729" target="_blank">にっぽんご7 漢字</a>』1969、むぎ書房
西田龍雄編『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=562514"target="_blank">講座言語 5巻 世界の文字</a>』1981、大修館書店

[文法関係]
鈴木重幸『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=566001"target="_blank">日本語文法・形態論</a>』1972、むぎ書房
金田一春彦編『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=566037"target="_blank">日本語動詞のアスペクト</a>』1976、むぎ書房
鈴木忍『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=574903"target="_blank">教師用日本語教育ハンドブック3 文法I</a>』1978、国際交流基金
阪田雪子、倉持保男『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=594376"target="_blank">教師用日本語教育ハンドブック4 文法II</a>』1980、凡人社   
寺村秀夫『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=564287"target="_blank">日本語のシンタクスと意味 第I~III巻</a>』1982~1991、くろしお出版
『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38607"target="_blank">講座 日本語と日本語教育4 日本語の文法・文体(上)</a>』、『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38607"target="_blank">講座 日本語と日本語教育5 日本語の文法・文体(下)</a>』1989、明治書院
グループ・ジャマシイ『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=543428"target="_blank">教師と学習者のための日本語文型辞典</a>』1998、くろしお出版
張麟声『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=679024"target="_blank">日本語教育のための誤用分析</a>』2001、スリーエーネットワーク
近藤安月子『日本語学入門』2008、研究社

[その他]
日本語教育学会『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=782264"target="_blank">新版日本語教育事典</a>』2005、大修館書店
単位認定
の方法
 課題の提出率とそのできばえ、および、学期末試験の成績を総合して評価します。成績の悪い学生は落とします。
成績評価基準
 日本語の具体的な文、文章の表記、文法について、自分で考え、客観的に分析できる能力をどの程度身につけたか。
その他1
その他2
参考URL