開講所属文学部
時間割コード33165102
授業科目名日本語教育特殊研究I(英文)
授業科目名(英文)
科目区分特殊研究
担当教員馬場 良二
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 火曜日 3時限
後期 火曜日 3時限
単位数4


概要
外国人日本語学習者の書いた作文を添削します。その際、対照言語学的立場にたって、意味論的、統語論的、形態論的に、かつ、日本語教育の現場で役立つように「実践的」に考察、分析、記述します。
 あわせて、日本語教育で卒業論文を書く学生の論文指導を行います。
到達目標
1. 教育的見地から、その誤りを訂正すべきかいなかが判断できるようになる。
2. 一つの言語作品を語、連語、文、文章といった複数の視点から分析できるようになる。
3. 誤用を音韻論、形態音韻論、形態論、語構成論、語彙論、統語論/シンタクス、意味論、語用論の観点から、また、日本語の歴史の観点から分析し訂正することができるようになる。
4. 日本語にする以前の、日本文化/日本人特有の発想法を意識化できるようになる。
履修上の注意
日本語の文法、語彙、表記すべての面で「客観的にみる能力」、母語を「内省」する力を養うことを目的とします。「知識の伝授」ではなく、「能力の訓練、養成」を目指しています。2016年度の報告書を読むことから始め、その後、担当者を決めて、作文を添削、添削内容とその添削の理由とをまとめ、発表してもらいます。
授業の時間は担当者、教師、学生の全員による討論の場です。その結果は担当者が報告書に盛り込んでください。報告書は学内外に配布します。
 2年生の時に教育実習に行った学生なら、学習者の誤用を分析、訂正、説明する能力の必要性はわかっているはずです。学習者の誤用に正面から向き合い、時間をかけて悩み、調べることができるのは今だけです。現場の教師になったらそのような余裕はありません。
 分析すべき作文を手にした瞬間から、読み込み、一つ一つの文の正誤判断をしてください。正誤判断は簡単ではありません。「違和感がある」という「感じ」だけでは、誰を説得することもできません。日本語母語話者の直感を大切にしながら、他の日本語母語話者や著者自身に聞き取り調査をする、文献を調べるなどしてください。小中高、大学での授業すべてを思い出し、持てる知識を総動員して悩んでください。時間がかかります。忙しくて時間がありませんでした、等というのは理由になりません。調べたデータをもとに再度正誤判断、そして、調査、また判断。それを繰り返すことによって真理に近づきます。
 発表後の討論には、積極的に参加すること。黙って座っている学生に成績は出しません。
授業計画
第1回 このシラバスと2016年度の報告書を読みます。
第2回 誤用分析の方法とレジュメの作り方をデモンストレーションします。
第3回 卒業論文の第1回の中間発表-1
第4回 卒業論文の第1回の中間発表-2
第5回 卒業論文の第1回の中間発表-3
第6回 卒業論文の第1回の中間発表-4
第7回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-1
 発表に際してはレジュメを作成してください。レジュメには、必ず担当する作文を全文掲載してください。このとき原文とまったく同じでなくてはなりません。細心の注意をはらってください。そのあと、どうしてそこを添削するのか、書いた人が間違えた理由は何か、訂正を説明するにはどうしたらいいか、適確な表現で書いてください。発表のあと、添削の内容、誤用分析に関して討論をします。討論の中で出た指摘やアドバイス、質問などをまとめ、報告書に加えます。分析した誤用項目のうち、どれか一つを課題項目とし、これについてさらにつっこんだ詳細な分析と記述を報告書にくわえてください。
第8回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-2
第9回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-3
第10回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-4
第11回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-5
第12回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-6
第13回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-7
第14回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-8
第15回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-9
第16回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-10
第17回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-11
第18回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-12
第19回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-13
第20回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-14
第21回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-15
第22回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-16
第23回 外国人留学生が書いた作文の添削、誤用分析-17
第24回 卒業論文の第2回の中間発表-1
第25回 卒業論文の第2回の中間発表-2
第26回 卒業論文の第2回の中間発表-3
第27回 卒業論文の第2回の中間発表-4
第28回 テーマ発表-1
 誤用分析の結果から、自分でテーマを選び、よりくわしく調べ、考察して発表してください。
第29回 テーマ発表-2
第30回 テーマ発表-3


 卒業論文提出の締め切りは、1月10日ごろです。毎年提出される卒業論文のほとんどは、やっとデータがそろった程度のものです。何がやりたいのかよく考え、卒業生たちの論文を読み、早くテーマを決めてください。テーマを決めたら、まず図書館に行って本や論文を見ましょう。すぐにとりかかってください。とりかからないことには、そのテーマで論文が書けるのかどうか分かりません。早くとりかかれば、新たなテーマにかえることもできます。
 研究室での論文提出期限は12月20日、読み終わり次第、順次本人に返却、コメントをします。

○報告書の書き方
 原稿サイズはA4版、マージンは上20mm、下28mm、左右20mm。45字×50行くらい。字体は明朝体。授業で課題となった項目をタイトルとして明記、学科、学年、氏名をいれてください。
* 原稿締め切りは口頭で指示します。添削して返すから、書き直し、完成版を後期試験開始日までに提出。
予習・復習
について
 予習、復習の指示はありません。日頃から言語学、日本言語の文献、論文を読むように心がけてください。
使用教材
『熊本県立大学日本語教育研究室報告集 第27号』2016。受講者には配布します。
参考文献
鈴木重幸『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=566001" target="_blank">日本語文法・形態論</a>』1972、むぎ書房
金田一春彦編『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=566037" target="_blank">日本語動詞のアスペクト</a>』1976、むぎ書房
鈴木忍『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=574903" target="_blank">教師用日本語教育ハンドブック3 文法I</a>』1978、国際交流基金
阪田雪子、倉持保男『教師用日本語教育ハンドブック4 文法II』1980、凡人社
寺村秀夫『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=564287" target="_blank">日本語のシンタクスと意味 第I~III巻</a>』1982~1991、くろしお出版
『講座 日本語と日本語教育4 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38607" target="_blank">日本語の文法・文体</a>(上)』、『講座 日本語と日本語教育5 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38607" target="_blank">日本語の文法・文体</a>(下)』1989、明治書院
『講座 日本語と日本語教育6 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=33031" target="_blank">日本語の語彙・意味</a>(上)』、『講座 日本語と日本語教育7 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=33031" target="_blank">日本語の語彙・意味</a>(下)』1989、明治書院
『講座 日本語と日本語教育8 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38605" target="_blank">文字・表記</a>(上)』、『講座 日本語と日本語教育9 <a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=38605" target="_blank">日本語の文字・表記</a>(下)』1989、明治書院
グループ・ジャマシイ『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=543428" target="_blank">教師と学習者のための日本語文型辞典』1998、くろしお出版
張麟声『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=679024" target="_blank">日本語教育のための誤用分析</a>』2001、スリーエーネットワーク
日本語教育学会『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=782264" target="_blank">新版日本語教育事典</a>』2005、大修館書店
単位認定
の方法
 発表内容、および、報告書のできばえによって評価します。
成績評価基準
 日本語を客観的に分析し、誤用の理由とその訂正とを文法的、音韻論的に説明できるかを見ます。
その他1
その他2
参考URL