開講所属文学部
時間割コード33183601
授業科目名近代地域文化研究(15年度以降)
授業科目名(英文)
科目区分関連分野
担当教員五島 慶一
開講年次2年生
学期・曜日・時限後期 金曜日 3時限
単位数2


概要
 今年二〇一七年は夏目漱石の生誕百五十年の節目の年であり、没後百年かつ熊本来訪(居住開始)以来百二十年の前年に引き続き、各所で記念イベントが行われるのではないかと思われる。そんなことも意識しつつ、この授業では前年に続き夏目漱石を取り上げる。
 まずは、ここ熊本と縁の深い「二百十日」(明治三十九〔一九〇六〕年十月『中央公論』)を扱う。同作は漱石が第五高等学校(現・熊本大学)の教員だった明治三十二(一八九九)年に、転任する同僚で友人の山川信次郎と共に阿蘇に送別登山をした時の体験がもととなって書かれたものである。
 但し、漱石の目は(そして彼自身も)そこにはとどまっていなかった。その翌年には文部省より留学を命ぜられて英国へと発ち、明治三十六(一九〇三)年に帰国したものの、彼が再び熊本の地を踏むことはなかった。
 「二百十日」は、それから更に三年後に、往時を振り返って書かれたものである。従って、そこには漱石が眼にしたであろう阿蘇熊本の風物と共に、英国留学を経た漱石からする、現代日本に対する強い批判が含まれている。その二つの側面に特に注目して、解読を進めたい。
 ついで、漱石が彼自身の言葉として行った、すなわち講演である「現代日本の開化」(明治四十四〔一九一一〕年)を扱う。そこには年月を経ても変わらず、しかしある面ではより深化した、同時代批判の主張・認識が見てとれるだろう。
 なお、履修人数により、授業後半の「現代日本の開花」の部分は、受講者による発表を交えた部分演習形式で行う可能性も考えている。漱石文学を素材に、現実や社会をいかに形象化するのか、その実践例を知るとともに、一方でそれを分析する切り口を各自で考える場としたい。
到達目標
 漱石文学を素材に、現実や社会をいかに形象化するのかという実践例を知るとともに、一方でそれを分析する切り口について学び、延いてはそこから地域を含めた現実や社会のあり方について各自で考える眼を持つことを目標とする。
履修上の注意
 対象作品は事前に精読してくること。また、演習形態となった場合は、自らの担当についてきちんと準備(調査とまとめ、及び配布プリントの用意など)をして授業に臨むこと。
授業計画
1  漱石文学概要・授業の進行について
2  漱石と熊本(序説)
3  漱石と熊本(展開篇)
4~10 「二百十日」精読
11~14 「現代日本の開化」精読(あるいは演習形態にて)
15   まとめ(含 漱石文学再論)
 
 ※ 内容(作品等)は概ねこの順で進めるが、授業の進行上、回数に関しては前後することも大いにありうる。後半の授業形態に関しては、受講者が確定したところで決定し、改めて授業内で告知する。
予習・復習
について
・予習  授業での言及より前に該当作品をしっかりと読んでおくこと(詳細は授業内で予告する)。
・復習  授業内容を踏まえて、自分なりにそこで取り上げた事項に関して各自で改めて考えてみること
(前記「到達目標」を参照)。
使用教材
『二百十日・野分』(新潮文庫 460円)・三好行雄編『漱石文明論集』(岩波文庫 735円)
その他に適宜プリント等を配布する。
参考文献
『夏目漱石全集』(岩波書店)  
江藤淳『漱石とその時代』第一部~第四部 新潮社 1970~1996

他にも授業内で紹介するが、まずは漱石自らの言葉(作品)を少しでも多く読んでみてほしい。
単位認定
の方法
筆記主体の試験を行う予定だが、受講人数や学年構成によってはレポート等もありうる。その結果を主とし、授業態度も考慮に入れて判定する。
成績評価基準
試験等ではこちらの話をきちんと理解でき、かつそれを自分なりに再整理して示すことができるか、また担当者から示された見解や知識を足場として、そこから更に自分なりの考えを示すこと(立論への階梯)が出来ているかを判定の基準として設ける。
その他1
・地域志向科目
その他2
参考URL