開講所属文学部
時間割コード33519401
授業科目名文化人類学(15年度以降)
授業科目名(英文)
科目区分学部共通科目
担当教員慶田 勝彦
開講年次2年生
学期・曜日・時限後期 火曜日 5時限
単位数2


概要
ナイジェリアの作家であるチママンダ・アディーチェは「シングルストーリーの危険」について語っています。シングルストーリーはある社会において多くの人々が自然に、あたりまえのものとして語り、流通しているストーリーのことです。例えば、トイレは男性用、女性用の2つでよいというのはいまだに多くの社会で共有されているシングルストーリーである一方で、わたしたちはLGBTの視点が存在することや上記のストーリーに違和感を感じる人々がいることに気がつきはじめています。文化人類学はわたしたちがどようなストーリーに呪縛される傾向にあるのかを他者や異文化のストーリーに接することを通じて見つめ直す学問です。本講義ではチママンダ・アディーチェの「シングルストーリーの危険」を起点として、3つのトピック「ファッション」、「アイデンティティ」、「テクスト」を取り上げ、シングルストーリーを解きほぐしてゆく人類学的な考え方について講義します。
到達目標
次の3つが到達目標です。1)講義で提供される事例や理論(考え方)を整理し、文化人類学の特徴を自分なりに説明できるようになること。2)講義を通じて、自らの日常世界におけるシングルストーリーの危険について考え、語れるようになること。3)講義で示される参考文献を読んだり、自由課題に取り組んだりすることで1)と2)の理解を自分で深めること。
履修上の注意
本講義用のノート一冊および配布資料を整理するバインダー等をあらかじめ用意しておくこと。イントロダクションで講義概要等を説明するので受講希望者は初回授業に出席すること。
授業計画
第1回:イントロダクション(概要:チママンダ・アディーチェの「シングルストーリーの危険」(TEDトーク)を起点として、本講義の概要や進め方、評価法等について説明します。)
第2-5回:ファッション(概要:4回に渡り、国内外のファッションを素材として、ファッションがなぜ、どのような形で文化人類学および隣接領域(社会学、倫理学、文学など)の研究対象になっているのかを紹介してゆきます。毎回、写真や映像の一部を用いた映像人類学的なアプローチを採用する予定です。)
第6-9回:アイデンティティ(概要:4回に渡り、アイデンティティの多元性についての理解を深めてゆきます。アイデンティティは個人のみならず、文化的、社会的、民族的、人種的、宗教的、ジェンダー的な集団的アイデンティティと不可分の形で問題になります。本講義では慶田が調査を行ってきたケニア海岸地方のミジケンダ・グループの事例を起点として、アイデンティティの多元性について考えてゆきます。)
第10-13回:テクスト(概要:4回に渡り、テクストについて考えます。テクストは文字であり、書かれたものや印刷されたものですが、その形態は多様ですし、LINE等のSNSの発達はテクスト、サウンド、ピクチャー・ムービーの境界をいままでになく曖昧にしています。21世紀を生きるわたしたちにとってテクストにはどのような価値や意義があるのでしょうか。また、人々の声をテクストへと転写してきた文化人類学にとってテクストはどのように捉えられ、意味づけられてきたのでしょうか。いくつかの事例を通じて、概念としてのテクストに注目します。)
第14回:補足説明と議論(概要:これまでの講義で時間が足りなかったトピックや受講者の関心が高かったトピックを中心に補足説明を行うと同時に、リアクションペーパーをもとに講義を通じて立ち上がってきた疑問や見解について全員で議論します。)
第15回:シングルストーリーの危険(概要:講義を振り返りながら、イントロダクションで提起した「シングルストーリーの危険」について考えます。特に、現代社会における「シングルストーリーの危険」について受講者の意見を参照しながら検討し、また、シングルストーリーに対抗する学問としての文化人類学の意義について論じます。
予習・復習
について
予習:各トピックあるいは講義の途中で出される「問い」についての見解を講義あるいは参考文献等を踏まえて考え、ノートにまとめること。
復習:講義の要点は何だったか、理解できなかった用語や概念は何だったか、面白かった点は何だったかなどを講義中、講義後にノートに整理しておき、各種参考文献や事典等を利用して自分なりにリサーチすること。
使用教材
教科書は指定しません。パワーポイントを利用した講義が中心です。必要に応じて関連資料を配布します。
参考文献
1)浜本満・浜本まり子編 1994 『人類学のコモンセンス』 学術図書出版。
2)太田好信・浜本満編 2005 『メイキング文化人類学』 世界思想社。
3)ジョイ・ヘンドリー 2002 『社会人類学入門:異民族の世界』桑山訳、法政大学出版局。
※ 参考文献リストは講義の途中と最後に配布します。
単位認定
の方法
平常点:リアクションペーパーや小レポートなどで各回講義の理解度をみます(30点)。定期試験(論述形式)を実施し、講義内容の全体的な理解度と創造的な思考力、そして論理的な文章力をみます(70点)。
成績評価基準
評価基準は、平常点については講義の内容を正確に理解したうえでなされるコメントや質問であり、また、定期試験では講義全体の総合的な理解度と答案の独創性、論理的な文章力を評価しますが、特に参考文献の読解等の自己学習成果を高く評価します。
その他1
その他2
参考URL