開講所属環境共生学部
時間割コード34123801
授業科目名沿岸環境保全論
授業科目名(英文)Coastal Environmental Conservation
科目区分 生態関係科目
担当教員小森田 智大
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 月曜日 4時限
単位数2


概要
四方を海で囲まれた日本は、特に河口域が広がる沿岸域に古来より集落を構え、沿岸生態系の高い生物生産性を利用して、暮らしの糧を得てきた。しかし、近代社会の形成と発展の歴史の中で、沿岸生態系を犠牲にして、経済的な発展を遂げてきた。沿岸生態系は今なお重要な食料生産地域としての役割を果たしており、日本の食生活の基盤を支えている。また、その生物生産性を利用した人々の暮らしがある。この講義では、沿岸域の中でも熊本県立大学から近い内湾である有明海を主な題材として、沿岸域で進行する環境問題の特徴と環境修復に向けた動きを講義する。
到達目標
沿岸域の環境と生態系の特徴を理解し、そこで発生している環境問題や生態系を衰退させる原因を把握し、生態系の保全に必要な知識を説明できる。
履修上の注意
授業計画
第1回 イントロダクション①
 沿岸域の重要な特徴である高い生物生産とそれを支える基本的なメカニズムを理解する。

第2回 イントロダクション②
 沿岸域で進行する環境問題の1つである富栄養化と貧酸素化を理解する。

第3回 イントロダクション③
 沿岸域で進行する環境問題である埋め立て・浚渫、過剰な漁獲、汚染物質による影響、外来種問題を理解する。

第4回 有明海の自然①:潮汐と干潟の形成
 有明海の特徴の1つである大きな潮位差と干潟の形成メカニズムを理解する。

第5回 有明海の自然②:残差流と潮汐流
 潮汐流と残差流の関係を理解する。

第6回 有明海の自然③:フロックの形成と堆積物の再懸濁
 河口域で形成されるフロックと堆積物の再懸濁のメカニズムを理解する。

第7回 有明海の自然④:河川を通した物質供給の見積もり
 塩分および炭素安定同位体比を用いた陸域からの物質供給量の見積もり方法を理解する。

第8回 有明海の自然⑤:基礎生産者の特徴
 浅海域の重要な基礎生産者である底生微細藻類の特徴を、植物プランクトンとの対比から理解する。

第9回 中間テスト

第10回 有明海の環境問題①:貝類資源の減少要因-乱獲と環境悪化
 1990年頃から進行する二枚貝資源の壊滅的な減少の経緯と要因を理解する。メカニズムの中でも、乱獲と環境悪化による寄与を理解する。

第11回 有明海の環境問題②:貝類資源の減少要因-餌不足と捕食
 二枚貝資源の壊滅的な減少のメカニズムとして餌不足と捕食による寄与を理解する。

第12回 有明海の環境問題③:緑川河口域における研究事例
 アサリの一大産地であった緑川河口域において、現在進められている研究を理解する。

第13回 有明海の環境問題④:赤潮と貧酸素水の発生
 有明海で多発する赤潮と貧酸素水の現状とその発生メカニズムを理解する。

第14回 有明海の環境問題⑤:諫早湾における研究事例
 有明海における環境問題のホットスポットの1つである諫早湾で進められている研究を理解する。

第15回 まとめ
 これまでの講義のまとめをする。
予習・復習
について
予習:講義で使用する資料を事前に配布しておくので、それを利用して、関連する基本的事項を予習しておくこと。
復習:講義に関連した課題を配布するので、講義中に指定した箇所の問いに答え、次週の講義で提出すること。
使用教材
資料を配付する。
参考文献
適宜紹介する。
単位認定
の方法
中間(40点)と期末(60点)の筆記試験によって評価する。
成績評価基準
沿岸域の環境と生態系の特徴、そこで発生する環境問題や生態系を衰退させる原因、沿岸生態系の保全対策の方策の概要について、知識の定着と理解度を評価する。
その他1
・地域志向科目
その他2
参考URL