開講所属環境共生学部
時間割コード34603301
授業科目名公共政策論
授業科目名(英文)Public Policy
科目区分 地域計画関係科目
担当教員井寺 美穂
開講年次4年生
学期・曜日・時限後期 火曜日 3時限
単位数2


概要
 公共政策(本科目では特に政府政策に焦点をあてる予定)とは、様々なアクターが関与しながら策定される「公共的な諸問題を解決するための活動案」のことです。政府政策の場合、その具体的内容は、一般的に法律や条例、規則、長期構想、総合計画、予算、国会決議、閣議決定、首相の施策方針演説など様々なものによって示されます。
 本講義では、公共政策の機能や役割に焦点をあてながら、政策がどのように形成され、そして決定、実施、評価されているか、そのプロセスを科学的に分析・検討します。まず、公共政策の分析視角となりうる理論枠組みをあらかじめ学習した上で、政策形成とその執行、評価等について学際的な観点から検討します。
 本科目を受講することによって、公共政策の機能や役割、政策過程に関する知識を理解・習得し、様々な諸問題を分析・解決する能力を向上させることを目指します。
到達目標
 この授業の到達目標は以下の通りです。これらの目標を常に意識しながら、受講して下さい。
(1) 公共政策の理解に必要な行政学、政治学の理論や概念枠組みに関して理解を深める。
(2) 公共政策の機能や役割を理解し、それらに関する基礎的知識を習得する。
(3) 政策がどのように形成され、決定、実施、評価されているのかを理解し、それらを概括的に説明することができるようになる。
(4) 授業において習得した知識を活かし、公共政策に関わる諸問題に対して、自らの意見を論じることができるようになる。
履修上の注意
 「立法過程論」や「行政評価論」などの科目は、「公共政策論」の内容の一部をより専門的に学ぶことができます。
 毎回、「コミュニケーションカード」を配布し、授業のなかで紹介したテーマに関する意見や感想、質問等を記入してもらいます。その他、カードは予習や復習のツールとしても利用します(カードへの記入方法は第1回講義で詳細に説明します)。カードを通して、積極的に授業に取り組む機会を作りたいと思います。
授業計画
第1回 テーマ:公共政策論入門
 公共政策の概念や公共政策論の概要について紹介します。
第2回 テーマ:公共政策と統治形態
 公共政策(政府政策)の形成や実施、評価等において立法機関や行政機関は大きな役割を果たします。統治形態が政策に与える影響について学習します。
第3回 テーマ:公共政策と中央地方関係
 公共政策(政府政策)の主体的アクターである中央政府と地方政府の関係に焦点をあて、それらの関係が公共政策に与える影響について学習します。
第4回 テーマ:政策過程(1)議題設定Ⅰ
 政策過程は、社会的な諸問題を察知し、その問題の背景などを分析しながら、その問題に対して政府として対応するか否かを決定する段階からスタートします。どのような問題が議題となり、どのようなアクターが発案者となりうるのかについて学習します。
第5回 テーマ:政策過程(2)議題設定Ⅱ
 議題設定過程の事例を通して、議題設定の実際について学習します。
第6回 テーマ:政策過程(3)政策立案
 政策の議題設定過程において多種多様の問題の中から、政府が対処するべきものとして認知された問題は、政府として具体的にどのような対応を行うべきであるか、その方針が具現化されます。第6回講義では、政策対応や立案の手法について学習します。
第7回 テーマ:政策過程(4)政策決定Ⅰ
 立案された政策案は、制度上の決定権限を有する機関によって、その必要性や妥当性が審査・審議されたのち、最終的に政府が行うべき政策であるか否か決定されます。第7回講義では、特に中央政府における政策の決定過程に焦点をあてながら、決定に重要な影響を与える様々なアクターやそのプロセスについて学習します。
第8回 テーマ:政策過程(5)政策決定Ⅱ
 政策形成に関する諸理論(合理モデル、インクリメンタリズム、ゴミ缶モデル等)について学習します。
第9回 テーマ:政策過程(6)政策実施Ⅰ
 政治的失敗(合意調達の失敗)や予測の失敗などによって、政策目的と実施の結果の間に大きなギャップが生じることもあります。ギャップの事例を通して、政策実施過程に生じる諸問題について学習します。
第10回 テーマ:政策過程(7)政策実施Ⅱ
 議題設定され、立案、決定された政策は行政機関はもちろんのこと、独立行政法人や特殊法人、民間企業、住民団体等との協働によって実施されます。実施過程に関係する各アクターに焦点をあて、どのような機関が政策の実施を担っているのか学習します。
第11回 テーマ:政策過程(8)政策評価Ⅰ 
 公共政策の成果および効果等から、政策が所期の目標を達成できているかどうかを判断し、今後の必要性を見極めるために行われるものが政策評価です。第11回講義では、政策評価の意義や政策評価制度の概要について学習します。
第12回 テーマ:政策過程(9)政策評価Ⅱ
 外部評価に焦点をあて、そのひとつの形態である事業仕分けの意義や手法について学習します。また、模擬事業仕分けを実施します。
第13回 テーマ:政策過程(10)政策終了
 公共政策は、政策が所期の目的を達成した場合や社会経済環境等の変化によって政策の必要性が否定された場合など、何らかの理由により終了することもあります。政策終了の要因と機能について事例等を参考にしながら学習します。
第14回 テーマ:公共政策と行政責任
 公共政策は今日、行政が独占的に担うものではなく、民間企業やNGO、NPO、地域社会や住民など多くのアクターによる協働あるいは連携によって担われています。協働型社会における公共政策の責任について学習します。
第15回 テーマ:日本の行政システム
 我が国の政府政策に関する政策過程をより良く理解するために、日本の行政システムの特徴について学習します。
予習・復習
について
≪予習について≫
 毎回、次回の講義内容に関する課題(プリントを配布)を出題します。その他、次回の講義内容と関連付けながら、新聞報道や雑誌記事等に注目するように心がけて下さい。

≪復習について≫
 毎回、当日の講義内容に関する課題(プリントを配布)を出題します。また、学期の半ば頃に中間テストを行う予定です。必ず授業時に配布されたプリントや資料等を利用しながら、事後学習を行って下さい。
使用教材
 特定の教科書は使用しません。毎回、授業内容に関するプリント(講義ノート)を配布する予定です。
参考文献
『自治体の公共政策』、岩崎忠、学陽書房、2013年(\2,376)
『政策過程(BASIC公共政策学、第5巻)』、森脇俊雅、ミネルヴァ書房、2010年(\3,780)
『概説:日本の公共政策』、新藤宗幸、東京大学出版会、2004年(\2,592)
『政策過程論』、早川純貴(他)、学陽書房、2004年(\2,808)
※その他、適時、授業中に紹介します。
単位認定
の方法
 本講義の評価対象となるものは、定期試験、平常点(受講意欲・態度、課題の提出状況)、中間テスト、自主レポートの4項目です。基本的評価の対象は、定期試験(80%)と平常点(20%)です。中間テストおよび自主レポートは、プラス評価(各10点)します。
 基本的評価とその他の総計が100点を超えた場合は100点として扱います。
成績評価基準
≪定期試験(80%)≫
 筆記試験を実施します。出題した各設問を通して、どの程度まで到達目標に達しているかどうかを「正しく理解しているか」、「習得した知識を活かして判断・思考しているか」などの様々な観点から総合的に評価します。

≪平常点(受講意欲・態度、課題の提出状況)(20%)≫
 毎回、予習・復習欄が設けてある「コミュニケーションカード」を配布します。予習・復習の取組状況やカードへの記入内容等から総合的に評価します。また、授業中の私語等に関して注意を受けた場合、マイナス評価します。

≪中間テスト(+10点)≫
 テスト実施日までにおける授業内容の理解度に応じて10点満点で評価します。評価の観点は定期試験と同様です。

≪自主レポート(+10点)≫
 テーマ設定の適切性や独創性、論理構成、考察力などの観点から総合的に評価します。10点満点で評価します。
その他1
地域志向科目・地方創生科目
その他2
参考URL