開講所属環境共生学部
時間割コード34761201
授業科目名地方自治論
授業科目名(英文)Local Autonomy
科目区分 地域計画関係科目
担当教員澤田 道夫
開講年次3年生
学期・曜日・時限後期 月曜日 5時限
単位数2


概要
 この授業では、私たちにとってもっとも身近な政治・行政様式である「地方自治」の理論と制度と実際について基礎知識を学びます。理論面では地方自治とデモクラシーの関係を、制度面では日本の地方自治制度の発展と特質、そして近年の地方自治が置かれている状況を、実際面では住民の自治活動と自治行政との関係などを主な内容として講義を行います。
 地方自治は私たちの日常生活における重要な政治的、行政的営みです。その主人公は私たち自身であり、私たちの「自律性」を基に運営されていきます。この授業では、受講する学生が、地方自治に関する基礎的な知識とその実務の実際に関するイメージを掴み、望ましい地方自治を実現するための住民と行政との関係、そして将来の地方自治のあり方について考えることができるようにしていきたいと思います。
到達目標
1.地方自治とは何か、その概念について理解する。
2.日本の地方自治制度について、基礎的な知識を学ぶ。
3.行政運営や予算制度等、自治体の活動の実際の姿について理解を深める。
4.地方自治の基本法としての地方自治法について、その主要条文を学ぶ。
履修上の注意
 この授業は、地方自治に関する基礎的な内容の講義を行います。受講する学生は、地方自治に関する詳しい知識を持っている必要はありませんが、自治に関する日々のニュースに常に目を通し、住民の活動や自治体の施策に関する情報収集に努めてください。地方公務員等を志望する方には、是非受講をおすすめします。
 なお、履修入数が過大になる場合は履修制限を行うことがあります。詳細は第1回の授業で説明しますので、履修を希望する場合は必ず出席してください。
授業計画
 授業は以下の内容により行います。ただし、授業の進捗状況やその時々のトピックに応じて内容・順番を変更する場合があります。

第1回 はじめに
 授業の進め方、受講に当たっての留意点、使用する用語などの説明を行います。また、「地方自治」の字義的・社会科学的な意味合いについて講義します。

第2回 地方自治とは何か
 この授業で扱う「地方自治」の概念についてさらに詳しく説明します。地方自治の本旨、補完性の原理など、自治の理念を表す考え方や、地方自治が住民の自律性に基づく統治様式であることについて学びます。

第3回 地方自治とデモクラシー
 「地方自治はデモクラシーの学校」と言われます。これは何故でしょうか。デモクラシーの原語“Demos Kratia”が意味する「市民の力による統治」をもとに、地方自治が有する政治的有効性について考えます。

第4回 日本の地方自治制度
 地方自治法第一編「総則」の各条項に基づき、法律上の地方自治体(地方公共団体)の位置づけについて学びます。

第5回 特別地方公共団体
 地方自治体は、「普通地方公共団体」と「特別地方公共団体」に分かれます。東京23区等の特別地方公共団体について学びます。

第6回 地方自治体の仕事
 企業や小売店、サービス業などは、どのような仕事をしているのかイメージが湧きやすいと思います。しかし、行政とは、普段一体どのような仕事をしているのでしょうか。ここでは、都道府県や市町村が行っている各種の行政活動について、その概要を説明します。

第7回 自治体業務の実際
 地方自治体における実際の仕事の進め方について、事業の始まりから終わりまでを事例を挙げて説明します。
 
第8回 地方自治体の予算制度
 自治体の行政活動に必要となるお金は、どうやって得られ、どのように使われるのでしょうか。地方自治法第二編第九章から、地方公共団体の予算制度と、その実際について学びます。

第9回 地方自治体の財政悪化
 経済の悪化や国の財政再建の影響により、自治体の財政も悪化の一途をたどっており、「自治体破産」に陥る市町村も出てきています。自治体の行財政改革の取組を紹介するとともに、これからの行財政改革のあり方について考えます。

第10回 地方自治体と市町村合併
 国の地方分権政策の一環として、分権の受け皿づくりのために進められた平成の市町村合併について説明します。そして、地方自治の充実発展という角度から、市町村合併のメリット、デメリットを考えます。

第11回 政令指定都市くまもと
 平成24年4月、熊本市は政令指定都市に移行しました。政令指定都市は県並みの権限を持つといわれています。では、政令市と県はどう違うのでしょうか。また熊本市は「最後の政令指定都市」とも言われます。それはなぜでしょうか。日本における大都市制度について、熊本市をモデルとして学びます。

第12回 地方自治体と地方分権改革
 現在、国から都道府県、都道府県から市町村へと地方分権が進められています。これまで地方分権はどのように進められてきたのでしょうか。また、地方分権が進むことにはどのような意味合いがあるのでしょうか。地方分権の意義について学びます。

第13回 地方自治体の意思決定
 地方自治体が仕事を行ううえで、その方針や詳細は誰が決めるのでしょうか。日本の官僚制に特有の稟議制についての考察をもとに、地方自治体における意思決定過程を学びます。

第14回 多様な自治の形
 ここまでの授業で日本の地方自治制度についての大要は把握できたと思います。日本では自治制度は全国一律ですが、外国では日本と違い様々な自治制度があります。ここでは、諸外国における色々な地方自治制度を紹介します。

第15回 まとめ
 これまでの授業の内容を振り返り、今後の地方自治のあり方について考えます。
予習・復習
について
 授業の前に、前回の授業の内容のおさらいをしておいてください(授業においても、前回の授業の内容の振り返りを行います)。
使用教材
 資料は必要に応じて配布します。また、授業内容に併せて、地方自治に関する資料をその都度紹介しますので、可能なかぎりそれらにも目を通してください。
参考文献
『地方自治ポケット六法』(学陽書房)
西尾勝『行政学(新版)』(有斐閣、2001)
礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『ホーンブック地方自治(改訂版)』(北樹出版、2011)
単位認定
の方法
 試験結果を中心に、平常点の内容等により総合的に判断します。なお、指定する課外活動への参加状況等も加算対象とします。
成績評価基準
 到達目標の欄に示した1~4の目標のそれぞれについて、その知識や理解の度合い、考察の内容に応じて評価を行い、成績を付与します。
その他1
・地域志向科目
その他2
参考URL
http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~sawada-m/chihoujichi.html