開講所属総合管理学部
時間割コード46100401
授業科目名アドミニストレーション総論
授業科目名(英文)
科目区分展開科目群
担当教員澤田 道夫
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 金曜日 3時限
単位数2


概要
 総合管理とは、様々な主体(知識・人々・組織)を連携・協力させていくために共通で必要となる知識・手法を指します。これらの知識・手法を理論面から見たものをアドミニストレーション、現実に適用する手法から見たものをマネジメントと呼びます。総合管理学部の学生が卒業後に社会的リーダーとして活躍していくために是非身につけていただきたい能力です。
 熊本県立大学は1994年4月、全国に先駆けて総合管理を教育研究するための「総合管理学部」(Faculty of Administration)を開設しました。このアドミニストレーション総論は、「総合管理学」に関する一般理論を学ぶための授業科目です。 
到達目標
1.総合管理という言葉について、それが持つ基本的な特徴と、その概念を理解する。
2.組織構造に関する理論についての知識を得る。
3.個人と集団の意思決定の態様を理解する。
4.集団での合意形成の手法について学ぶ。
5.よりよいアドミニストレーションのあり方について、自ら考察することができるようになる。
履修上の注意
 アドミニストレーション総論はパブリック・ビジネス・システム・健康福祉の各アドミニストレーション科目の基礎および総合となる授業科目です。その重要性を認識し、主体的に出席し勉強して下さい。
授業計画
 授業は以下の内容により行います。ただし、授業の進捗状況やその時々のトピックに応じて内容・順番を変更する場合があります。

第1回 はじめに
 「アドミニストレーション総論」の対象・カリキュラム上の位置付け・授業の進め方・単位認定の方法などについて話します。

第2回 総合管理学とは何か
 総合管理学とは、人々をうまく協力させ、やる気を高め、成果をあげていくために共通で利用できる知識・手法です。総合管理は公共の分野にも民間の分野にも、全ての領域で必要となる考え方です。総合管理学を学ぶことの意義と、総合管理の現れる場について学びます。

第3回 アドミニストレーションの概念
 アドミニストレーションの概念規定を行います。また、アドミニストレーションとマネジメント、ガバナンス等の概念の関連性について学びます。

第4回 組織の総合管理1
 世界で初めて総合管理の構造を明らかにしたフランスのファヨールと、ファヨールの影響を受けて古典的組織論を完成させたギューリックにおけるアドミニストレーション論の構造を取り上げます。

第5回 組織の総合管理2
 はじめに、現代の経営管理論の基礎の一つとなっているテイラーの科学的管理法の持つ意義を学びます。また、枠組み偏重だった古典的組織論に対するアンチテーゼとして登場した、組織における人間関係を重視する人間関係論について取り上げます。

第6回 組織の総合管理3
 ギューリックの古典的組織論とそれに対する人間関係論を統合する理論としてのバーナードによる現代組織論の誕生について学びます。

第7回 知識の総合管理1
 バーナードの影響を受けつつ、組織理論に認知心理学的な視点を取り入れたサイモンについて述べます。サイモンが提唱した人間の意思決定における「限界合理性」と「合成的意思決定」の考え方について学びます。

第8回 知識の総合管理2
 人々を上手く協力させる「総合管理」を理解するためには、人間理解が欠かせません。我々人間は日々合理的に意思決定を行おうとしています。しかし、その合理性には限界があり、しばしば合理的でない行動を取ることになります。それはなぜでしょうか。人間の非合理な部分について行動経済学的な視点から学びます。

第9回 知識の総合管理3
 組織における意思決定は全て合成的意思決定となります。では、果たして集団での意思決定と優れた個人一人の意思決定はどちらが勝っているのでしょうか。集団の意思決定を優れたものとするための条件を学びます。

第10回 組織と知識の総合管理
 集団での意思決定は優れた個人の意思決定を上回ることができます。しかし、集団での意思決定には重大な落とし穴があります。人間の特性を理解し、問題のある意思決定を避けるための知識について学びます。

第11回 組織の総合管理と「信頼」
 意思決定の過程で相互に対する不信が生まれれば、その後の意思決定に大きな悪影響が生じます。組織のアドミニストレーションにおける信頼について、それがなぜ重要かについて理解を深めます。

第12回 総合管理における「信頼」の重要性
 他人を信頼する人はお人好しで騙されやすく、容易に信頼しようとしない人は騙されにくいと思われています。果たしてそれは本当なのでしょうか。信頼がどのように形成されるかについて学びながら、信頼の社会科学的重要性について考えます。

第13回 地域の総合管理
 地域社会では様々な主体が独自に活動しています。それらの主体を結びつけているのが、地域を取り巻く信頼のネットワークである「ソーシャル・キャピタル」です。地域社会の総合管理を行ううえでのソーシャル・キャピタルの重要性について学びます。

第14回 メタ学問としてのアドミニストレーション
 総合管理学は、単一の学問分野や特定の見方からだけでは十分に理解できません。様々な理論、様々な視点から考えることの重要性を学びます。

第15回 アドミニストレーション総論のまとめ
 これまでの授業の内容を振り返り、アドミニストレーション理論の理解と実践について考えます。
予習・復習
について
 授業の前に、前回の授業の内容のおさらいをしておいてください(授業においても、前回の授業の内容の振り返りを行います)。
使用教材
 資料は必要に応じて配布します。また、授業内容に併せて、総合管理に関する資料をその都度紹介しますので、可能なかぎりそれらにも目を通してください。
参考文献
手島孝著『<a href="http://wwwlib.pu-kumamoto.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=554748" target="_blank">総合管理学序説</a>』(有斐閣)
アンリ・ファィヨール『産業ならびに一般の管理』(ダイヤモンド)
C.I.バーナード『経営者の役割』(ダイヤモンド)
H.A.サイモン『経営行動』(ダイヤモンド)
H.A.サイモンほか『組織と管理の基礎理論』(ダイヤモンド)
サイモン・マーチ『オーガニゼーションズ』(ダイヤモンド)
N.ルーマン『信頼』(勁草書房)
セイラー・サンスティーン『実践行動経済学』(日経BP)
宮川公男著『意思決定論 : 基礎とアプローチ』(中央経済社)
単位認定
の方法
 試験結果を中心に、平常点の内容等により総合的に判断します。
成績評価基準
 到達目標の欄に示した1~5の目標のそれぞれについて、その知識や理解の度合い、考察の内容に応じて評価を行い、成績を付与します。
その他1
その他2
参考URL
http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~sawada-m/admin.html