開講所属総合管理学部
時間割コード46303601
授業科目名企業法
授業科目名(英文)Corporate Law
科目区分ビジネス
担当教員吉村 信明
開講年次2年生
学期・曜日・時限後期 金曜日 3時限
単位数2


概要
 現代社会において企業はきわめて大きな役割を果たしています。その中でも「株式会社」はその負担する法人税が国や地方自治体での歳入の大きな割合を占めていますし、私たちの生活に関しても株式会社で働いて給与を得て生計を立てている人が大勢います。また、株式会社が生産・販売・提供する商品やサービスを日常生活において利用しています。
 しかし、近年株式会社で不祥事事件が頻発し、巨額の損失が発生して経営悪化や倒産にいたる事例も増加しています。その原因として会社経営者(取締役)による違法・不正な行為を挙げることができますが、経営者の違法・不正な行為を防止することができなかった経営チェック機能の無機能化も重大な問題として取り上げなければなりません。そのため、商法の会社法分野では度重なる改正を行い経営チェック機能の強化に努めてきましたが、2005年に会社に関する法律(商法会社編・有限会社法・商法特例法)を統合して「会社法」という法律が成立し、2014年には改正されました。
 会社法上、会社には株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4種類があります。その中で株式会社の重要性が高いため、講義の内容としては株式会社に関する「会社法」の内容について検討します。しかし、「会社法」には設立、株式、株主、管理運営機関、資金調達、M&A、組織再編などの規定があり、その情報量は膨大で半期15回の講義ですべての範囲を網羅することは不可能です。そこで、株式会社の運営に関する管理運営機関に範囲を絞って講義いたします。
到達目標
 講義概要で触れたように、会社法には膨大な情報量があり15回の講義ですべて触れることができないだけではなく、すべてを理解することも困難です。そこで、本講義においては株式会社の管理運営機関すなわち株主総会、取締役、取締役会、代表取締役、監査役(会)、会計監査人、会計参与等の仕組み、権限、責任、また経営者に対する経営チェックシステムとして、現代のビジネス社会で必要とされる会社法の基礎知識の習得だけではなくその制度目的などを理解し実務において発生するテキストに書かれていないようなトラブルについても解決に導く応用力を獲得することをも到達目標とします。
履修上の注意
 繰り返しますが「会社法」の情報量が膨大なため、講義では論点をピックアップして検討いくことになります。したがって講義だけで完全に理解することは難しいかもしれません。したがって、各自の予習・復習が必要となります。それも可能な限り「会社法」のテキストを参照して講義では不足している情報量を補充していただきたいと希望します。
 また、法律の用語・理論・考え方などに慣れるため、他の法律科目もできるだけ履修していることが望ましいと考えます。
 さらに、社会で会社がどのように活動し、どのような問題を起こしているかということを知って法律を学ぶと理解の手助けとなると考えますので、新聞やテレビなどの会社関係の報道には関心を持って接してもらいたいと思います。
 実際社会における経験に乏しい学生さんにとっては決して簡単な内容ではありません。また法律の専門学部ではないため法律の専門用語やリーガルマインドといわれる法律に関する考え方もなかなか身につかないと思います。ですから、受講なさるならば心して受講してください。
授業計画
 本講義では次のような項目について講義する予定です。ただし、下記の内容については講義の進行度などで変更する可能性もありますので、予めご了承ください。
1.企業法という講義の概要、講義の目的。会社法とはどのような法律か、会社法を学ぶ上で知っておくべき用語や概念について、会社の種類など。会社法で定める会社の種類の内容、会社の特色、会社法の基本原則など。
2.株式会社の設立手続について。株式会社を作る際の手続きの具体的な内容や注意点を説明します。
3.株式会社の管理運営機関の仕組み、種類など。管理運営機関とは株主総会、取締役(会)、監査役(会)、会計監査人、会計参与といったものです。この回では全体像を説明します。
4.株主総会について、その権限、招集手続き、決議事項、株主提案権、議決権、決議要件など。
5.株主総会について、多数決原理と少数株主の保護、株主の監督是正権の内容、株主総会決議の効力を争う訴えなど。
6.株式会社の取締役について、選任手続、資格・員数・任期、終任、職務権限・義務など。
7.株式会社の取締役会について、意義、権限、招集手続き、決議要件、決議の瑕疵など。
8.株式会社の代表取締役について、意義、選定・解職手続、権限、表見代表取締役など。
9.株式会社の監査役・監査役会について、意義、監査役の選任手続、資格・員数・任期、職務権限、職務権限・義務、監査役会の職務権限、運営など。
10.株式会社の会計監査人について、意義、選任・解任手続、職務権限、監査報告の内容など。
11.株式会社の役員の損害賠償責任について、会社役員の会社に対する損害賠償責任についての根拠、損害賠償責任の免除に関する規定の内容などを説明します。
12.株式会社の役員の損害賠償責任について、会社役員の第三者に対する責任、株主代表訴訟について説明します。
13.会社の資金調達について、株式、社債、新株予約権、金融機関からの融資等の内容を説明します。
14.企業法に関する事例。社会で実際に生じた会社関係の問題をピックアップして説明します。
15.全体のまとめ。
予習・復習
について
 予習につきましては、講義の初回と最終回を除き、各回の講義終了時に次回の講義用プリントを配付いたします。まず第一にプリントを必ず読んで内容の理解に努めてください。しかし、必ずわからないあるいは知らない用語、制度、言い回しなどがありますから、会社法のテキスト、法律雑誌の特集などを読んで事前に周到な準備をしてください。
 復習につきましても、各回の講義で使用したプリント、講義の中で説明した内容などの理解に努めてください。学問ではどんなに準備してもまた極限まで集中してもわからない部分は必ずあります。何がわからないかを理解して復習に臨んでください。
 講義の内容に関する質問はどんどんお受けします。図書館も平日は夜間まで開放していますので十二分に活用して自分自身で理解を深める努力を惜しまないようにお願いします。
 本講義は法律の内容についての講義ですから、決して簡単ではありません。他の科目と同様に入念な予習・復習が必要です。
 今後日本社会は大変厳しくものになっていきます。4年間の努力を惜しむと社会に出るときから躓く恐れが大いにありますので、心して授業に臨んでください。
使用教材
 テキストは使用しないで、講義プリントを配布します。
参考文献
 会社法に関しては多くの体系書、概説書、入門書が刊行されています。その中の一部を参考文献としてご紹介いたします。
 なお、2014年6月に会社法の改正が成立しましたので、講義開始時にテキストの新しい版が発行されている場合もありますので、最新のバージョンをお読みください。
 下記のテキストは2014年改正を踏まえた改訂版です。
西山芳喜編『アクチュアル企業法 第2版』法律文化社 3348円
江頭憲治郎『株式会社法第6版』有斐閣、6048円
神田秀樹『会社法第18版』弘文堂 2700円
近藤光男『最新株式会社法 第8版』中央経済社 4536円
伊藤靖史他著『リーガルクエスト 会社法 第3版』有斐閣 3132円

 他にも体系書、教科書、入門書が多数出版されていますので、是非1冊通読してください。
 また、講義の内容を具体的にイメージするための映画(DVD)教材として下記のものを挙げます。
1 『金融腐蝕列島 呪縛』日本、1999年、4935円
2 『沈まぬ太陽』日本、2009年、4410円
単位認定
の方法
 定期試験期間中に筆記試験を行います。講義期間中の小テストやレポート課題など中間得点となるような考査は一切いたしません!筆記試験の得点のみで単位認定の判断をいたします。
成績評価基準
 次のような到達目標を達成しているか否かを基準として評価いたします。
 株式会社の管理運営機関に関する会社法の制度、仕組みに関する基礎知識を習得しているか。
 会社法の制度の学問的内容および講義の資料で触れるような実務における実践を理解しているか。
 株式会社の実務において発生している様々な事例について、その中にある問題点を明らかにでき、さらに解決策の提案などを行うことができるか。
 会社法という企業に関する基本法の考え方を十分に理解し、理論的に表現する力を身につけているか。
 
その他1
その他2
参考URL