開講所属総合管理学部
時間割コード47151301
授業科目名行政救済法
授業科目名(英文)
科目区分パブリック・アドミニストレーション
担当教員上拂 耕生
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 火曜日 1時限
単位数2


概要
 この授業は、文字通り、行政救済法(行政機関の違法・不当な行為に対して私人が救済を求める手続に関する法分野)を扱う。なかでも、行政事件訴訟、行政不服申立て、国家賠償、損失補償という4大分野を中心に学ぶ。
 受講生は、これら行政救済法の基本的な内容を理解するとともに、行政救済法の解釈・運用に係る基本問題について、判例など具体的事例を通じて理解を深めて欲しい。
到達目標
 行政救済法(行政不服申立て、行政訴訟、国家賠償、損失補償)の基本的な仕組みを理解する。同時にまた、関連する基本的な論点や判例等を理解すること。これを基礎として、事例演習を通して、「基本的な知識」を活用して、問題・行政紛争を論理的かつ説得的に解決しうる「応用力」を身につけること。
履修上の注意
 講義の内容は「難解」である。最低限度の法知識を有していることが必要である。したがって、2年次後期開講の「行政法」を履修済みであること、民法や憲法などの関連する法律科目を履修していること。
 授業はいわゆる「反転授業」の方式で進める。公開または配付された資料を読んだ上で、各回の課題を事前に解答し提出すること。
 事前課題の内容に基づいて、授業中に論点につき議論する。必要な事項は図解等を用いてわかりやすくレクチャーする。
授業計画
第1回 ガイダンス、行政救済法とは
 講義の進め方や授業の方針などについて説明した後に、行政救済法の全体像について説明する。
第2回 行政事件訴訟概説
 日本の行政訴訟制度の概要(全体像)と特色、行政訴訟と憲法との関係について講義する。
第3回 訴訟類型
 典型的なケースを提示して、行政事件訴訟の類型について講義する。
第4回 取消訴訟の訴訟要件(1)~処分性~
処分性という訴訟要件の論点について、重要判例の分析をまじえて講義する。
第5回 処分性と当事者訴訟
 処分性概念と公法上の当事者訴訟の関係を理解し、事案に応じた適切な訴訟形態について講義する。
第6回 取消訴訟の訴訟要件(2)~原告適格~
 原告適格の論点について、重要判例の分析をまじえて講義する。
第7回 取消訴訟の訴訟要件(3)~訴えの利益、その他訴訟要件~
 訴えの利益のほか、被告適格、裁判管轄、出訴期間などについて講義する。
第8回 行政訴訟の実体審理の問題 
 行政裁量に対する裁判所の審査の問題を、重要判例の分析をまじえて講義する。
第9回 取消訴訟以外の抗告訴訟
 無効等確認訴訟、不作為の違法確認訴訟、義務付け訴訟、差止訴訟の仕組みについて講義する。
第10回 判決、仮の権利救済
 取消訴訟の判決(その種類、効力など)について講義する。また、仮の救済制度として、執行停止制度(その要件、現状など)について講義する。
第11回 行政不服申立て
 2014年に改正された行政不服審査法の内容を中心に、日本の行政不服申立て制度の要点、特色について講義する。
第12回 国家賠償(1)~国家賠償制度の概要、国賠1条~
 国家賠償制度の概要を説明した上で、公権力行使責任(国賠1条)の成立要件について講義する。
第13回 国家賠償(2)~国賠1条の論点~
 国賠1条の論点となる、行政の不作為の違法や国家賠償における違法の問題などについて、重要判例の分析まじえて講義する。
第14回 国家賠償(3)
 営造物責任(国賠2条)の成立要件などについて、重要判例の分析をまじえて講義する。
第15回 損失補償
 損失補償の概念・根拠、補償の要否、補償の内容について、重要判例の分析をまじえて講義する。

※ 学生の理解度やリクエスト等に応じて若干、授業計画を変更することがある。その場合は、速やかにお知らせします。
予習・復習
について
<予習について>
事前に、設問形式で予習すべき内容を提示する。したがって、その設問に対する解答を用意して授業にのぞむこと。最低限予習すべき事項については、ワークシートを配布するので、そのフレームワークに従ってワークシートを完成させ、毎回提出すること。
<復習について>
授業を踏まえて、演習問題を提示するので、それらを利用して学習内容をしっかりと復習すること。
使用教材
授業で用いる講義レジュメ(要点を記したもの)は、指定のURLにアクセスして各自ダウンロードしておくこと。
勉強のために必要な教材(教科書、判例集、問題集など)は指示する。
参考文献
1)藤田宙靖『行政法入門(第7版)』(有斐閣・2016年)
2)石川敏行ほか『はじめての行政法(第3版補訂正版)』(有斐閣アルマ・2015年)
3)宇賀克也編『ブリッジブック行政法(第2版)』(信山社・2012年)
4)櫻井敬子・橋本博之『行政法(第5版)』(弘文堂・2016年)
5)曽和俊文ほか『現代行政法入門(第3版)』(有斐閣・2015年)
6)芝池義一『行政法読本(第4版)』(有斐閣・2016年)
7)宇賀克也『行政法概説Ⅱ-行政救済法(第5版)』(有斐閣・2015年)
8)橋本博之『行政判例ノート(第3版)』(弘文堂・2013年)
9)高木光ほか編『ケースブック行政法(第5版)』(弘文堂・2014年)
10)塩野宏『行政法Ⅱ(第5版補訂版)』(有斐閣・2013年)
単位認定
の方法
 定期試験の結果と平常点に基づいて総合的に評価する。授業中の積極的な発言等は、平常点として加点の対象とする。
成績評価基準
定期試験の評価基準は以下の通り。
(1)題意を理解し、行政救済法の基本的な知識を理解し、正確に述べているか。
(2)論点や重要判例の提示、事案を解決する規範や基準の定立が正確になされ、それを事案にあてはめて問題の解決をうまく図れているか。
(3)私見を論理的に述べているか。その他、表現力など。
その他1
その他2
参考URL