開講所属総合管理学部
時間割コード47151401
授業科目名行政評価論
授業科目名(英文)Administrative Evaluation
科目区分パブリック・アドミニストレーション
担当教員中西 一
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 金曜日 2時限
単位数2


概要
合規性と慣習の支配する世界であった行政運営に対し、情報化の進展や経済成長率の低下を背景に、1990年代以降、透明性の確保と希少資源の再配分、効率的行政運営を志向し行政評価の慣行が普及、定着するようになった。国、地方自治体における運用は様々であり、これまで全く問題に直面しなかったわけではないが、インターネット上に見られる通り今日でもその普及度は概ね変わらず、行政に関わる者やそれを取り巻く市民が直面する現実として行政評価の制度は今も健在だと言える。この行政評価を如何に生かして、アカウンタビリティの確保と行政運営の効率化を図るのか。本講義では行政評価の基本的な仕組みから入って、行政評価慣行に影響を与えてきた様々な分野から行政評価を多角度的に理解することを目的とし、今後直接間接に行政に関わる受講者の基礎的行政リテラシーの構築を志向するものである。
到達目標
①典型的な評価表の目標管理構造と業績指標などの基本的な仕組みを理解すること。
②政策評価理論全体の中で行政評価慣行の役割を位置づけることが出来るようになること。
③予算運営との関係の理解。
④行政経営組織論の中で行政評価の取り組みを位置づけられるようになること。
⑤関連分野である(公共)事業評価の仕組みと社会的意義を理解すること。
履修上の注意
特になし。
授業計画
行政評価をその具体的な仕組み(行政評価toolkit)、政策評価理論、予算制度改革、公共経営、公共事業再評価(費用便益分析等を含む)という5つの角度から検討し、その多義的な意味をつかむこととする。

行政評価toolkit
1) 第1回 説明責任の流れと行政評価の現段階
 情報公開の進展と説明責任の強化から近年行政評価が普及してきた経緯について述べる
2) 第2回 目標管理型評価表の構造
 よく用いられる評価表の論理構造を解説し学生に実際に文面を考えてみてもらう
3) 第3回 業績指標
 評価表に埋め込まれる業績指標の留意点について論じる
政策評価
1) 第4回 政策評価と政策分析
 行政評価の基礎理論として用いられる政策評価とそれに関連のある政策分析について論じ背景と なる論理構造に親しむ
2) 第5回 政策評価理論と業績測定
 近年発展する政策評価理論について紹介しそれと行政評価に埋め込まれている業績測定システ  ムとの関連について論じる
3) 第6回 各種の政策評価とロジックモデル
 より広義の政策評価の体系を紹介しそこから行政評価が影響を受けているツールであるロジックモ デルについて論じる
予算管理
1) 第7回 予算制度改革の歴史
 行政評価普及の背景の一つである予算運営の問題について予算制度改革の歴史から接近して問 題状況を把握する
2) 第8回 事業別予算
 行政評価の名を借りて事実上事業別予算が行われていたことが多いことを背景として事業別予算 (プログラム予算)の仕組みについて理解を進める
3) 第9回 予算査定型行政評価の限界
 実際に行政評価を予算目的に利用する際には多くの問題にぶつかるがその論点と代替的予算運 営方法との比較について論じる
公共経営
1) 第10回 行政評価とTQM
 「日本型」行政評価に影響を与えてきた日本企業の品質管理慣行の特徴と行政評価に適用された 際の種々の問題点について論じる
2) 第11回 行政評価と人事評価
 行政評価の利用目的としての人事評価の問題と行政評価に対する代替的行政管理手法としての  目標管理制度についての議論を行う
3) 第12回 行政評価と組織変革
 経営管理上の問題意識である組織変革目的で行政評価を利用しようとすることが多いがそこでの 課題について論じる
事業評価
1) 第13回 公共事業再評価
 行政評価の一環として普及してきた公共事業再評価について理解を進める
2) 第14回 費用便益分析
 公共事業再評価(新規評価を含む)に埋め込まれていることの多い費用便益分析のメカニズムにつ いて理解を進める
3) 第15回 参加と多元主義
 事業の中止等の判断にとどまらない参加民主主義的手続を公共事業再評価問題に関連して論じ  る
予習・復習
について
授業のテーマについてはインターネット上にある情報を参照できる場合が多く、受講者にはそれをもって予習、復習としてもらいたい。
使用教材
配布資料等による。
参考文献
特に指定しない。
単位認定
の方法
小テストとレポートそれぞれ50%ずつのウェイトで評価を行う。小テストの回数と時期は事前に定めず行う。小テストにはどのような資料を持ち込んでもかまわない。レポートのテーマは授業の終盤で通知する。定期試験は行わない。
成績評価基準
小テストは正確な答えを求める簡便なものとなろう。レポートは逆に①授業の内容を踏まえながらも、②提出者自身の独自の考えが盛り込まれているのかどうかが重視され、③その上で意見や主張の是非はともかくその論拠や根拠が論理的に整合性のあるものかどうかが重要となる。④論ずるべき課題が多くあると思われる場合にあまりにも中身の薄い(分量の少ない)記述である場合も大幅な減点の対象となる。誤字脱字等にこだわる評価は行わない(特に留学生の場合日本語表現について幅をもって評価する)。
その他1
その他2
参考URL