開講所属総合管理学部
時間割コード47161601
授業科目名商取引法
授業科目名(英文)Commercial Transaction Law
科目区分ビジネス・アドミニストレーション
担当教員吉村 信明
開講年次3年生
学期・曜日・時限前期 金曜日 2時限
単位数2


概要
 商取引は、企業と企業との間および企業と消費者との間の取引のことをいいます。取引に関する法規制として、まず民法の適用が考えられますが、商取引においては営利性、迅速性、反復継続性などの特色があるために、民法の規制とは異なる独自の法規制が必要となります。そこで、商法や消費者保護のための諸法といった特別法を制定して民法の原則に対する特則を定めています。また、商取引では企業が多数の消費者の個人情報を蓄積して利用したり、取引上の紛争が発生する場合も多く見受けられます。
 本講義では、将来商取引に従事する場合に必要な法律の基礎知識などの習得を目的として、民法、商法、消費者保護に関する諸法などの基本的な原則、重要な規則などについて検討する予定です。
 ただ、商取引に関する法律に関する情報量は膨大なものであるため、半期の講義ではそのすべてに触れることはできません。したがって、重要と思われるポイントをピックアップして講義していきます。
到達目標
 商取引は企業間取引、企業と消費者間の取引です。学生さんは消費者の立場で取引することはありますが、法律問題を意識するような事例に遭遇する機会はそんなに多くはありません。しかし、社会に出ますとビジネスにおける当事者として、また自ら収入を得て独立した消費者として商取引と関わり、法的問題の当事者となる場合も増加してきます。
 そこで、商取引に関する関連法律の内容について、具体的には民法の契約に関する規定、商法の取引規定、消費者取引に関する特別法である特定商取引法、割賦販売法、貸金業法などの基本的な知識を習得し、社会で発生している実務上の事例にアクセスできる方法を獲得し、法律の解釈や裁判の判決の内容について十分に理解しすることを目標とします。
履修上の注意
 商取引に関する法律の理解のためには民法の理解が不可欠です。そこで、民法に関する講義をできる限り受講して理解しておくことを望みます。また、実際のビジネスの世界で商取引がどのように行われているかを知ることにより法律を具体的にイメージすることができると思われますので、新聞や報道を注意深く見てほしいと考えています。さらに、消費者被害に関しては新しい事件の報道や注意喚起の解説等が新聞、雑誌、ニュース番組等でなされていますので、注意してご覧ください。
 実際学生さんにとって簡単な内容ではありません。心して受講してください。
授業計画
 本講義では、次のような項目に関して講義する予定です。ただし、下記の項目の内容に関しては、進行度合いで調整、変更を行う可能性もありますので、予めご了承願います。
1.商取引法の体系、特色について。商取引法という名称の法律はありません。多くの関係する法律があります。その全体像や商取引の特色などについて説明します。
2.取引の基礎である契約の基本原則について。契約について規制する基本法は民法です。商取引法でも民法の契約に関する規定の理解が不可欠です。その基本原則について説明します。
3.商取引の中でもっとも基本的な行為である商事売買の基本原則について。売買契約に関する民法と商法の規定を対比してその違いや異なる理由などを考えます。
4.商事売買が成立した後の商品の引渡し、代金の支払いなどについての説明をします。
5.消費者取引に関する諸法の概要、いわゆる悪徳商法の具体的事例などの紹介。私たちが消費者の立場で被る悪徳商法の被害について事例の紹介をします。
6.消費者取引に関する法律-特定商取引法についての特色、適用対象、消費者保護のための独特の規定であるクーリング・オフなどの制度について見ていきます。
7.消費者取引に関する法律-消費者契約法について、制定された背景、民法規定との相違点、この法律独特の制度について紹介します。
8.消費者取引に関する法律-割賦販売法について。いわゆるクレジット取引を規制する法律です。その内容、特色などについて説明します。
9.金融取引-銀行取引に関して、組織、業務内容、法規制についてなど。
10.金融取引-盗難・偽造カードの被害者救済のための制度、法律の内容について。私たちが日常的に使用するキャッシュカードの盗難や偽造により自分の預金が引き出された場合の保証に関する問題について紹介します。
11.電子商取引とはどのような取引か、その仕組み、法規制などについて。電子商取引は急速に普及したのですが、その仕組みをよく知らないで利用することにより損害を被ることがありますし、法規制の内容についてもまだ十分に知られていませんので、説明します。
12.商取引に関する情報管理について。商取引により企業・業者には膨大な顧客情報が蓄積されます。しかし、その個人情報が漏洩する事例が増加しています。その法規制などについて考えてみます。
13.商取引で生じた紛争の解決方法について。
14. 商取引に関する事例。社会で発生した商取引に関する事例を取り上げて解説します。
15. まとめ。
予習・復習
について
 予習につきましては、講義の初回と最終回を除き、各回の講義終了時に次回の講義用プリントを配付いたします。まず第一にプリントを必ず読んで内容の理解に努めてください。しかし、必ずわからないあるいは知らない用語、制度、言い回しなどがありますから、商取引や消費者取引などのテキスト、法律雑誌の特集などを読んで事前に周到な準備をしてください。
 復習につきましても、各回の講義で使用したプリント、講義の中で説明した内容などの理解に努めてください。学問ではどんなに準備してもまた極限まで集中してもわからない部分は必ずあります。何がわからないかを理解して復習に臨んでください。
 講義の内容に関する質問はどんどんお受けします。図書館も平日は夜間まで開放していますので十二分に活用して自分自身で理解を深める努力を惜しまないようにお願いします。
 本講義は法律の内容についての講義ですから、決して簡単ではありません。他の科目と同様に入念な予習・復習が必要です。
 今後日本社会は大変厳しくものになっていきます。4年間の努力を惜しむと社会に出るときから躓く恐れが大いにありますので、心して授業に臨んでください。
使用教材
 テキストは使用しないで、講義用のプリントを配布します。
参考文献
 商取引法に関する法律として民法、商法、特定商取引法、割賦販売法、貸金業法などがあります。したがって、多くの参考文献がありますのですべてを紹介することはできませんので、各自で出版情報などを参照して読みやすい参考文献をお探しください。
 現在進行中の民法債権編改正に関して、
加賀山茂編著『民法(債権関係)改正法案の〔現・新〕条文対照表』信山社 2160円
内田貴『民法改正』筑摩書房 1000円
大村敦志『民法改正を考える』岩波書店 1000円

 消費者取引に関する参考文献として、
坂東俊矢・細川幸一『18歳から考える消費者と法 第2版』法律文化社 2376円
中田邦博・鹿野菜穂子編『基本講義 消費者法 第2版』日本評論社、2916円
多田文明『あなたはこうしてだまされる 詐欺・悪徳商法100の手口』産経新聞出版 1296円
三菱総合研究所・全国大学生活協同組合連合会他『大学生が狙われる50の危険』青春出版社 1000円
信州大学経法学部編『新大学生が出会う法律問題』創成社 1728円
日本弁護士連合会消費者問題対策委員会編『キーワード式消費者法事典 第2版』民事法研究会  4536円

 銀行取引、金融取引などに関する法律ついて、
川口恭弘『現代の金融機関と法第5版』中央経済社 3360円
神田秀樹他著『金融法講義』岩波書店 4212円
大垣尚司『金融から学ぶ民事法入門 第2版』勁草書房 3132円


 電子商取引に関して、
吉川達夫編著『電子商取引法ハンドブック第2版』中央経済社 3150円
松本恒雄・齋藤雅弘・町村泰貴編『電子商取引法』勁草書房 4752円
 また、講義の内容を具体的にイメージするための映画(DVD)教材として下記のものを挙げます。
『夜逃げや本舗』日本、1991年、3990円
『夜逃げや本舗2』日本、1991年、3990円
単位認定
の方法
 定期試験期間中に筆記試験を行います。講義期間中の小テストやレポート課題など中間得点となるような考査は一切いたしません!筆記試験の得点のみで単位認定の判断をいたします。
成績評価基準
 次のような到達目標をを達成しているか否かを基準として評価いたします。
 商取引に関する法律の内容について、具体的には民法の契約に関する規定、商法の取引規定、消費者取引に関する特別法である特定商取引法、割賦販売法、貸金業法などの基本的な知識を習得しているか。
 社会で発生している実務上の事例にアクセスできる方法を獲得しているか。
 法律の解釈や裁判の判決の内容について十分に理解しているか。
その他1
その他2
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