開講所属総合管理学部
時間割コード47163001
授業科目名ファイナンス法
授業科目名(英文)
科目区分ビジネス・アドミニストレーション
担当教員吉村 信明
開講年次3年生
学期・曜日・時限後期 火曜日 2時限
単位数2


概要
 企業の経営においては、さまざまな場面で資金を必要とします。たとえば、通常の事業活動の運転資金として、あるいは新規の事業を立ち上げる時、また企業買収等で企業組織や事業活動の範囲を拡大する時、さらに経営が苦しくなってきた際に苦境を乗り切るため等です。しかし、必要があるからといって簡単に資金調達をすることはできません。なぜならば資金の出し手としては、銀行等金融機関、金融機関以外の企業、一般市民等が考えられますが、経営上のリスクの高い相手に対しては容易に融資あるいは出資をすることはないからです。
 本講義では、まずこのような企業の経営に必要な資金について、法律上どのような調達方法が認められているのか、その方法のメリット・デメリット、調達の手続き、資金の出し手側のリスク等の論点について基礎的な知識の習得を目的として、関係する法律である会社法、金融商品取引法等の内容、基本原則、重要な規則、裁判例等について検討する予定です。
 ただし、ファイナンスに関する法律の情報量は膨大であるため、半期の講義ですべて触れることはできません。したがって、重要と思われるポイントをピックアップして講義したいと考えています。
到達目標
 ファイナンスは企業の血液ともいえる極めて重要なものです。すなわち企業経営において資金がショートしてしまったら、すぐに倒産に至ってしまうほどの問題なのです。したがってファイナンス法という講義では、このような企業の資金調達に関する方法、法律上の手続規定を中心に講義を進めていきます。そして現代のビジネス社会で必要とされる資金調達に関する会社法、金融商品取引法などの基礎知識の習得だけではなくその制度目的などを理解し実務において発生するテキストに書かれていないようなトラブルについても解決に導く応用力を獲得することをも到達目標とします。
履修上の注意
 ファイナンスに関する法律を理解するためには、総合管理学部で開講されている経済や会計に関する講義を受講し理解しておくことが必要と思いますので、そのような関係する科目をできるだけ受講することを望みます。
 繰り返しますが「ファイナンス法」の情報量が膨大なため、講義では論点をピックアップして検討いくことになります。したがって講義だけで完全に理解することは難しいかもしれません。したがって、各自の予習・復習が必要となります。それも可能な限り「会社法」や「ファイナンス法」のテキストを参照して講義では不足している情報量を補充していただきたいと希望します。
 また、法律の用語・理論・考え方などに慣れるため、他の法律科目もできるだけ履修していることが望ましいと考えます。
 さらに、社会で会社がどのようにファイナンスを行い、どのような問題を起こしているかということを知って法律を学ぶと理解の手助けとなると考えますので、新聞やテレビなどの会社関係の報道には是非関心を持って見てください。
 実際社会における経験に乏しい学生さんにとっては決して簡単な内容ではありません。また法律の専門学部ではないため法律の専門用語やリーガルマインドといわれる法律に関する考え方もなかなか身につかないと思います。ですから、受講なさるならば心して受講してください。
授業計画
 本講義では、次のような項目に関して講義する予定です。ただし、下記の項目の内容に関しては、講義の進行度合いや新しい事例が発生した場合等で調整、変更を行う可能性もありますので、あらかじめご了承をお願いいたします。

1.本講義に関する受講上の注意などのガイダンスおよびファイナンス法とはどのような分野の法律なのか、本講義の内容の全体像、その特色について説明します。
2.金融機関の具体的な種類、実際に企業に融資する場合のさまざまな方法、特色などを見てみます。
3.金融機関の融資においては必ず知っておかなければならない金利規制、保証、担保などについて紹介します。
4.株式:まず株式とはどのようなものをいうのか、会社法上認められている株式の種類の内容などについて説明します。
5.株式:株式の発行して資金調達を行う際の方法、手続きなどを見ます。
6.株式:自己株式について、どのような内容のものか、資金調達の際にどのように活用するのかなどを考えます。
7.新株予約権:新株予約権とは何か、どのように利用するのかなどを説明します。
8.新株予約権:新株予約権の発行の手続き、譲渡の方法、行使方法などを説明します。
9.社債:社債とは何か、社債の種類、株式との相違点などを紹介します。
10.社債:発行手続きの内容、社債の管理方法などを見ます。
11.社債:新株予約権付き社債とはどのようなものか、社債の償還方法などを説明します。
12.証券市場における規制:株式、社債などの発行、流通に関し  て重要な役割を持つ市場の規制について見てみます。
13.企業間信用1:買掛金や支払手形による信用取引を活用した企業金融、債権回収の問題などを紹介します。
14.企業間信用2:手形、小切手の仕組み、法規制の内容などについて解説します。
15.企業金融に関する新しい事例などを説明します。
予習・復習
について
 予習につきましては、講義の初回と最終回を除き、各回の講義終了時に次回の講義用プリントを配付いたします。まず第一にプリントを必ず読んで内容の理解に努めてください。しかし、必ずわからないあるいは知らない用語、制度、言い回しなどがありますから、会社法あるいはファイナンス法のテキスト、法律雑誌の特集などを読んで事前に周到な準備をしてください。
 復習につきましても、各回の講義で使用したプリント、講義の中で説明した内容などの理解に努めてください。学問ではどんなに準備してもまた極限まで集中してもわからない部分は必ずあります。何がわからないかを理解して復習に臨んでください。
 講義の内容に関する質問はどんどんお受けします。図書館も平日は夜間まで開放していますので十二分に活用して自分自身で理解を深める努力を惜しまないようにお願いします。
 本講義は法律の内容についての講義ですから、決して簡単ではありません。他の科目と同様に入念な予習・復習が必要です。
 今後日本社会は大変厳しくものになっていきます。4年間の努力を惜しむと社会に出るときから躓く恐れが大いにありますので、心して授業に臨んでください。
使用教材
 テキストは使用しません。各回で使用する講義様プリントを配付します。
参考文献
 ファイナンス法に関しての参考文献として、まず会社法の諸テキストを挙げることができます。これについては「企業法」のシラバスで挙げておりますのでご参照ください。
 また、「商取引法」のシラバスに挙げている参考文献の中に銀行取引、金融取引に関するものがありますので、ご参照ください。
大垣尚司『金融と法』有斐閣 4200円
大垣尚司『金融から学ぶ民事法入門 第2版』勁草書房 3132円
森田果・小塚荘一郎『支払決済法 第2版』有斐閣 2592円
神田秀樹・神作裕之・みずほフィナンシャルグループ『金融法講義』岩波書店 4212円
 また、講義の内容を具体的にイメージするための映画(DVD)教材として下記のものを挙げます。
『映画ハゲタカ』日本、2009年、5040円
『作戦THE SCAM』韓国、2009年、3990円
単位認定
の方法
 定期試験期間中に筆記試験を行います。講義期間中の小テストやレポート課題など中間得点となるような考査は一切いたしません!筆記試験の得点のみで単位認定の判断をいたします。
成績評価基準
 次のような到達目標を達成しているか否かを基準として評価いたします。
 現代のビジネス社会で必要とされる資金調達に関する会社法、金融商品取引法などの基礎知識を習得しているか。
 ファイナンスに関する法規定の制度目的などを理解し実務において発生するさまざまなトラブルについても解決に導く応用力を獲得しているか。
その他1
その他2
参考URL