開講所属アドミニストレーション研究科博士前期課程アドミニストレーシ
時間割コード840501
授業科目名経済学説史特殊講義
授業科目名(英文)
科目区分企業経営コース
担当教員中宮 光隆
開講年次1年生
学期・曜日・時限前期 火曜日 6時限
単位数2


概要
  「歴史は繰り返す」と言われるが,経済あるいは経済学の世界でも,その現象や議論されている内容には、歴史の進化によってモディファイされている面もあるとはいえ、その本質において時代を超越した共通性がみられる。経済ないし経済学の目標は、いつの時代においても、人々の安定した生活の確保と適度な経済成長による幸福の増大であったからである。混沌とした現代こそ、過去を振り返り、歴史に問いかける意義は大きい。本講義では、学問としての経済学の流れを概観し、それぞれの時代に経済学者は何を見、いかなる問題解決策を考えたかを考察するとともに、そのような経済学が生まれた背景としての「思想」をより深く探求する。これらを通じて現代経済と経済学に対する理解を深めることが目的である。
到達目標
1.近現代市民社会の仕組みと思想を理解する。
2.近代社会と経済学体系の黎明期、思想家は国富の増加と人々の幸福増大を目指すとともに、それらを可能にする社会制度の実現に向けて、どのような議論を展開していたか、また経済恐慌や不況を経験した経済思想家たちは、より安定した経済発展と人々の生活向上のために、どのような処方箋を考え、また論じていたかを理解する。
3.上記2点の根底にある思想としての「民主主義」と「功利の原理」を理解する。
4.経済学と社会思想の歴史は、現代の諸課題解決にいかなる示唆を提供しているかを考えることができる。
履修上の注意
  本講義では,学部で経済学や経済学説史を修得しなかった諸君にも理解できるよう,当初数回は経済学説史に関する基本的な事項を講義するが,その後は輪読形式ですすめる。
授業計画
第1回 イントロダクション(講義)-経済学と経済学史-
社会科学の成立、統治の学問と経済学の関係、その基礎としての市民社会の成立とその特質を講義する。

第2回 経済学の歴史(その1)(講義)
近代市民社会成立以降の経済学の流れを概観し、富と生産・労働の関係や分配の仕組みに対して人々は何を問題にし、どのような解決策を考えてきたかを跡づける。この回は19世紀初頭までを取り上げる。

第3回 経済学の歴史(その2))講義)
前回の続きとして、19世紀中葉以降現代までを概観する。

第4回 前回まで取り上げた経済学の流れの背景にある「思想」はいかなるものであるのかを考える。経済学は、それが生まれた時代背景と思想を明確にすることによって、はじめて深く正確に理解することができる。

第5回 ここまでのまとめとして、経済学と経済思想の歴史における主要な論点と、それが現代経済の課題解決にどのように関わるかを考える。

第6回 この回以降は、河合清隆『ルソーとジュネーヴ共和国-人民主権論の成立-』(名古屋大学出版会、2007年)を輪読する。
まずこの著作を読む意義、すなわち経済学と政治学(統治の学問)の両者に関わる基本思想を研究する意義を確認する。

第7回 同書序章。ジュネーヴ出身のルソーは、祖国ではその主張が受け容れられず、パリで多数の著作を執筆し出版する。その事情について概観する。

第8回 同書第1章。ルソーの統治思想の背景となったジュネーヴ共和国の国制と歴史について確認する。

第9回 同書第2章。ルソーの生い立ちと時代を概観する。

第10回 同書第3章。ジュネーヴと、ルソーが一時暮らしたヴェネチアの当時の状況、その中でルソーの政治経済思想が如何に確立したかを確認する。

第12回 同書第4章。ルソーの著作『ジュネーヴ共和国への献辞』の内容を通じて、ルソーの思想をさらに明らかにする。

第13回 同書第5章。ルソーの著作『人間不平等起源論』を検討し、ルソーの思想と当時の社会状況を知る。

第14回 同書第6章。ルソーの著作『調停決定』と『山からの手紙』を検討する。

第15回 まとめとして、経済学と社会思想の歴史は、現代の諸課題解決にいかなる示唆を提供しているかを考える。
予習・復習
について
1. 当日扱う論文を事前に読み、疑問点などを考えておく。
使用教材
講義の際レジュメのプリントを配布する。
参考文献
河合清隆『ルソーとジュネーヴ共和国-人民主権論の成立-』(名古屋大学出版会、2007年)
飯田裕康他編『マルサスと同時代人たち』(日本経済評論社,2006年)
永井義雄・柳田芳伸編著『マルサス人口論の国際的展開 -19世紀近代国家への波及』(昭和堂、2010年)
その他は講義の際紹介する。
単位認定
の方法
講義の際の発表内容で採点する。
成績評価基準
発表内容が到達目標をほぼ達成し、かつ自学自習の成果が十分みられるものである。-秀
発表内容が到達目標をほぼ達成している。-優
発表内容が到達目標のおおむね75%程度である。-良
発表内容が到達目標のおおむね50%程度である。-可
発表内容が「可」以下である。-不可
授業の際の議論への参加状況も(加点要因として)加味する。
その他1
その他2
参考URL