開講所属アドミニストレーション研究科博士前期課程アドミニストレーシ
時間割コード846401
授業科目名企業法特殊講義
授業科目名(英文)
科目区分企業経営コース
担当教員吉村 信明
開講年次1年生
学期・曜日・時限後期 火曜日 6時限
単位数2


概要
 現代社会において企業はきわめて大きな役割を果たしています。その中でも「株式会社」はその負担する法人税が国や地方自治体での歳入の大きな割合を占めていますし、私たちの生活に関しても株式会社で働いて給与を得て生計を立てている人が大勢います。また、株式会社が生産・販売・提供する商品やサービスを日常生活において利用しています。
 しかし、近年株式会社で不祥事事件が頻発し、巨額の損失が発生して経営悪化や倒産にいたる事例も増加しています。その原因として会社経営者(取締役)による違法・不正な行為を挙げることができますが、経営者の違法・不正な行為を防止することができなかった経営チェック機能の無機能化も重大な問題として取り上げなければなりません。そのため、商法の会社法分野では度重なる改正を行い経営チェック機能の強化に努めてきましたが、2005年に会社に関する法律(商法会社編・有限会社法・商法特例法)を統合して「会社法」という法律が成立しました。
 本講義では、「会社法」の内容について、企業不祥事の事例の検討を通して研究することを目的とします。
到達目標
 本講義では次のような点を受講による到達目標といたします。
(1)企業法に関する諸制度の内容についての専門知識を修得し理解を深める。また法律を研究する方法を修得し深化させ実践することができる。
(2)社会において発生している多くの問題に関して、企業法の諸制度に関する論点を見つけ、論理的に分析し、自分自身の見解を提示できるようになる。
履修上の注意
 「会社法」の情報量が膨大なため、講義では特に経営管理機関(株主総会、取締役(会)、監査役、会計監査人など)に絞って研究を進めていく予定です。しかし、会社法の全体像を知っておく必要があり、また、会社法の用語・理論・考えかたなどに慣れるため、受講を考えている方には会社法の教科書を通読しておくことを強く望みます。さらに新聞、ニュースなどで企業関係の問題が多数出されていますから、興味を持って内容を確認するように心がけてください。
授業計画
本講義では次のような項目について研究を進める予定です。しかし、大学院は研究を深める場でありますので、受講生の研究の進捗状況に応じて内容の変更や修正を行う可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

1.企業法という講義の概要、講義の目的。会社法とはどのような法律か、会社法を学ぶ上で知っておくべき用語や概念について、会社の種類など。会社法で定める会社の種類の内容、会社の特色、会社法の基本原則など。
2.株式会社の設立手続について。株式会社を作る際の手続きの具体的な内容や注意点を説明します。
3.株式会社の管理運営機関の仕組み、種類など。管理運営機関とは株主総会、取締役(会)、監査役(会)、会計監査人、会計参与といったものです。この回では全体像を説明します。
4.株主総会について、その権限、招集手続き、決議事項、株主提案権、議決権、決議要件など。
5.株主総会について、多数決原理と少数株主の保護、株主の監督是正権の内容、株主総会決議の効力を争う訴えなど。
6.株式会社の取締役について、選任手続、資格・員数・任期、終任、職務権限・義務など。
7.株式会社の取締役会について、意義、権限、招集手続き、決議要件、決議の瑕疵など。
8.株式会社の代表取締役について、意義、選定・解職手続、権限、表見代表取締役など。
9.株式会社の監査役・監査役会について、意義、監査役の選任手続、資格・員数・任期、職務権限、職務権限・義務、監査役会の職務権限、運営など。
10.株式会社の会計監査人について、意義、選任・解任手続、職務権限、監査報告の内容など。
11.株式会社の役員の損害賠償責任について、会社役員の会社に対する損害賠償責任についての根拠、損害賠償責任の免除に関する規定の内容などを説明します。
12.株式会社の役員の損害賠償責任について、会社役員の第三者に対する責任、株主代表訴訟について説明します。
13.会社の資金調達について、株式、社債、新株予約権、金融機関からの融資等の内容を説明します。
14.企業法に関する事例。社会で実際に生じた会社関係の問題をピックアップして説明します。
15.全体のまとめ。
予習・復習
について
 報告テーマや配付する資料について事前に読んで自分の考えを纏めてください。
 また、講義終了後もその内容についてもう一度検討してください。
 書籍、論文など自ら探して読み、内容の理解に努めてください。
使用教材
テキストは使用しません。印刷物を配布したり、良い映像資料があれば使用します。
参考文献
 会社法に関しては多くの体系書、概説書、入門書が刊行されています。その中の一部を参考文献としてご紹介いたします。
 なお、講義開始時に新版が発行されている場合もありますので、最新のバージョンをお読みください。
1 西山芳喜編『アクチュアル企業法 第2版』法律文化社 2248円
2 江頭憲治郎『株式会社法6版』有斐閣、6048円
3 神田秀樹『会社法第18版』弘文堂 2700円

 他にも体系書、教科書、入門書が多数出版されていますので、是非1冊通読してください。
単位認定
の方法
 授業における平常点(授業準備の程度、ディスカッションでの積極的発言など):70%
 課題の提出:30%
成績評価基準
 本講義で設定している次のような到達目標を達成しているか否かを基準として評価いたします。
(1)企業法に関する諸制度の内容についての専門知識を修得し理解を深める。また法律を研究する方法を修得し深化させ実践することができる。
(2)社会において発生している多くの問題に関して、企業法の諸制度に関する論点を発見し、論理的に分析し、自分自身の見解を提示できるようになる。
その他1
その他2
参考URL