開講所属文学研究科博士後期課程日本語日本文学専攻
時間割コード869201
授業科目名日本語学研究II
授業科目名(英文)Research on Japanese Linguistics II
科目区分博士後期課程
担当教員米谷 隆史
開講年次1年生
学期・曜日・時限集中 その他 他
単位数4


概要
 日本語史の「資料」とされる文献の性格を吟味することで、どのような新たな知見を得ることができるのかを、近年の語彙や文字・表記に関する論考を精読しつつ考える。また、各人の研究を今後発展させるために必要な「資料」の発掘や整備の方策について討議と指導を行う。
到達目標
 研究対象とする文献の資料性とこれまでの研究史の蓄積を十分に理解し、受講生が研究の集成たる博士論文の構想を固めていくことができるようになることを目標とする。
履修上の注意
 自らの関連分野のみならず、歴史学や日本文学等の成果にも日常的に注意を払っておくこと。
授業計画
 研究の重要性が判明しているにもかかわらず、十分な資料の発掘と整備が行われていない分野についての先行研究の状況を確認する。その上で、各受講生は、これまでの自らの調査研究に関連する分野を選択し、実際に資料の発掘と整備を行い、その成果を発表していくこととする。

第1回から第14回 出版と漢字表記
 1)近世期表記研究の資料と方法1-仮名草子の分析を中心に
 2)近世期表記研究の資料と方法2-地域文献の分析を中心に
 3)近世期表記研究の資料と方法3-
 4)近世期辞書発達史の概観1-節用集を中心に
 5)近世期辞書発達史の概観2-色葉集を中心に
 6)漢字辞書の字形と音訓1-玉篇系字書を中心に
 7)漢字辞書の字形と音訓2-字彙系字書を中心に
 8)漢字辞書の字形と音訓3-千字文系字書を中心に
 9)字尽類の文字使用1-歌字尽系諸本を中心に
 10)字尽類の文字使用2-扁冠字尽諸本を中心に
 11)往来物(男性用)の文字使用1-山本序周の著作を中心に
 12)往来物(男性用)の文字使用2-中村平吾の著作を中心に
 13)往来物(女性用)の文字使用1-女文台文嚢を中心に
 14)往来物(女子用)の文字使用2-近代初期女子用往来を中心に

第15回前半期の成果報告
 博士論文の一部となる内容について、前半期の調査と学習内容を踏まえて発表を行う。

第16回から第22回 近世前期の国字解の言語
 16)抄物研究の展開
 17)講述文献研究の展開
 18)江戸語の形成と上方語1-接続表現や文末辞を中心に
 19)江戸語の形成と上方語2-漢語表現を中心に
 20)浅見絅斎の国字解読解1-原典との比較を中心に
 21)浅見絅斎の国字解読解2-接続表現や文末辞を中心に
 22)浅見絅斎の国字解読解3-使用漢語の語義を中心に

第23回から第29回 翻訳文体の言語
 23)万国史の受容史
 24)万国史の翻訳者
 25)万国史直訳本と英和和英辞典
 26)万国史直訳本と英華華英辞典
 27)万国史直訳本の翻訳語的特徴1-存在表現を中心に
 28)万国史直訳本の翻訳語的特徴2-受動文の翻訳を中心に
 29)万国史直訳本の翻訳語的特徴3-比較級の翻訳を中心に

第30回後半期の成果報告
 博士論文の一部となる内容について、後半期の調査と学習内容を踏まえて発表を行う。
予習・復習
について
 授業で対象とする論考は1週間以上前に配布する。精読の上、授業に臨むこと。
 発表資料は、常に公の場での発表を念頭においた書式で作成すること。また、1年に2回、発表原稿を用意しての成果報告を義務づける。
使用教材
必要なものを複写で配布する。
参考文献
『日本語史のインタフェース』金水敏他(岩波書店)
『国語語彙史研究』前田富祺(明治書院)
『国語史研究の構想』安田章(三省堂)
『国字の位相と展開』笹原宏之(三省堂)
『近世漢字文化と日本語』村上雅孝(おうふう)
『欧文訓読の研究 : 欧文脈の形成』森岡健二(明治書院)
単位認定
の方法
 十分な授業参加があった受講生について、通常講義時の発言等を3割、各々の発表の内容を4割、最終レポートの内容を3割の割合で評価し、成績とする。
成績評価基準
 先行研究の成果を踏まえた上で、各々の資料が有する言語研究資料としての価値を適切に理解、活用して、客観的な批判に耐えうる発展的な成果を提示しているかを評価基準とする。
その他1
その他2
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