熊本県立大学国際シンポジウム2019「アジアで進むイノベーション」を開催しました!
熊本県立大学では、11月1日に国際シンポジウム2019「アジアで進むイノベーション」を
開催しました。
当日は、熊本市内の高校生約140人を含む、約400名もの御来場があり、熱心に耳を傾けておられました。
○ 開催日時: 令和元年(2019年)11月1日(金)午後1時~4時
○ 場 所: 熊本ホテルキャッスル 2Fキャッスルホール
まず本学半藤英明学長から主催者挨拶があり、来賓としてお越しいただいた蒲島郁夫熊本県知事から挨拶がありました。
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最初に基調講演として、医学博士で東京大学・政策研究大学院大学名誉教授の黒川清先生にお話しいただきました。
海外の先駆者(ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズら)を紹介し、ここ十数年での世界の変化
(人口増加による地球環境の変化、アラブの春、東京電力福島第一原子力発電所事故)について
お話しされた後、日本の教育の課題にも触れられ、
「これまでは知識の伝達と記憶力が重要視されていたが、自分でなぜかと考えさせて、
それを解いていくことのほうがもっと大事だ」と言及されました。
そして「やりたいことをするためには、海外に行くことが大事。想像もしないことに出会える。
もっと大事なことは、外に行ってみて初めて日本の良さも弱いところも見えてくる」
と述べられました。
※パワーポイントの中で黒川先生が提示された推薦書です。
次に笹川平和財団常務理事の角南篤先生から講演いただきました。
「問題・課題があるところにみんな集まって、グループで解決していくというパターンと
多くの人たちが技術を使えるようにする(安価にする・簡易にする)ことで
課題を解決していくパターン、この2つがイノベーションのホットスポットとなっている」
とお話されました。
そして「これからのイノベーションは課題があるところで起こる。若い人たちにとっては
まずは目の前にある課題を理解することが重要で、これが最初のスタートアップにつながって、
解決に向けたチャレンジになっていくホットスポットはそういうところに移っていくだろう。
みなさんが周りを見ていただいて、その問題に気づいたら、世界の人たちと一緒になって
その問題に取り組んでいく、こういう世界に変えていくことが求められている。」
と述べられました。
※シンポジウム当日に使用した動画は次のものです。
Society5.0(ソサエティ5.0)未来の日本の姿
https://www.youtube.com/watch?v=gevZ2RLW5Yk
続いてパネルディスカッションが行われました。
インドネシアから来日したレイラ・ジャワス氏
「私の生まれはジャカルタで、日本に留学し、そのまま就職したという経歴です。
今の東南アジアでは課題がいっぱいなので、こういうことがあったらいいな、ということを
皆でコワーキングスペースに集まって日々イノベーションを考えている」と述べられ
インドネシアのオンライン配車大手である「GOJEK」の事例をお話されました。
続いて株式会社国際経済研究所副理事長の大辻義弘氏
ご自身は40歳になって東南アジアの仕事を始めたという経歴からお話を始められ、
「40~60代が多いタイで質問を受けると「今、日本の介護産業はどんな感じですか?」
ということだが、さらに若い層が多くいるインドネシアでは
「教育産業はどんな状況ですか?」と聞かれる。
つまり日本以外の国々はみな一緒の状況かというとそうではない。」と述べられました。
また、「生活がよりいい意味で楽になる、手間がかからない、このための手段がイノベーション
であってアジアのほうが課題がいっぱいあるから種もいっぱいあると感じている。」
とお話されました。
基調講演に引き続いて登壇した角南篤先生
建築家の隈研吾さんがニューヨークで経験されたことを取り上げられ、
「人生を変える出会い・きっかけは、イノベーションには必要で、また誰にでも起きている。
ただし毎日同じ視点で同じ道を歩いていたのでは何も起きないので、経験と発想の転換を
とにかく大切にしてもらいたい。」
と述べられました。
最後に本学の白石隆理事長から
「イノベーションとは日本では、技術革新となり科学者やエンジニアがやるものだと
考えられているが、そうではなく、目の前にいくらでも種は転がっていて、
こうなったらいいなと思うことを、実際行動に移して形にしていくことが重要なこと」
「日本は先進国でアジアは後進国、こういった考え方は間違いで、むしろお互いにどうやって
学び合って一緒にお互いにプラスになるものを作っていくか、
これがアジアでのイノベーションの鍵になっていく」
と述べられ閉会となりました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
本件に関する問い合わせ先
熊本県立大学 事務局 企画調整室
TEL 096-383-2929 / (直通)096-321-6604 / (FAX)096-384-6765
〒862-8502(大学専用郵便番号:住所記載不要)
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