本学は「地域に生き 世界に伸びる」のスローガンに並べて、教育研究のモットーに「地域実学主義」を掲げています。
これを簡単に説明すると、身近な地域に研究の課題を探し、人文科学、自然科学、社会科学の各方面から課題解決に向けて果敢にチャレンジしようということになります。教育においても身近な例題を多く提示することにより、学問への探求が現実味を浴びたものになることを期待してのことです。目標は多彩な知識と科学する作法を身につけることで、実社会という現場においておどおどしない逞しい人材を育てることが出来ると考えています。
そこで私も時間を工面して、この地域実学主義に必要な特定地域学研究に取り組んでいます。熊本での生活が始まって5年になりますが、この間に県内各地、九州を我がキャンパスと思い歩き回ってきました。その結果いくつかの研究課題を探し出すことが出来ました。明治以降の近代熊本都市形成史研究に関心を寄せる中で、熊本洋学校の外国人教師・L.L.ジェーンズの来熊と滞在の意義について種々考えるようになりました。熊本県立大学に約10年間在職され名誉教授であった宮島昭二郎先生のご遺族から、先生の蔵書寄贈の申し出があり拝見させていただく機会がありました。その中にジェーンズ関係ファイルがあり私がお預かりし種々学ばせていただいています。
天草におけるキリスト教文化に関係した文化的景観を探求する中では、雲仙天草国立公園誕生の経緯や天然自然の夕陽の景観について地域実学的研究をするようになりました。また、20年来続けている人吉球磨の特定地域学研究から小京都・人吉の原型と要素を見出せるところまで来ました。これらの他にも県北や県南でいくつかのプロジェクトに関係していますが、いずれもじっくり地域を歩き、地域の歴史を綿密に辿ってみることが基本だと思います。常に地域認識と時代認識を両輪に、この時この場所でしか学べないことに微力ですがチャレンジして行きたいと思います。熊本でのキャリア形成の一部となり、新たな観点が形成されることを私自身も期待しながら。
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