蓑茂壽太郎客員教授による特別講義を開催しました
蓑茂壽太郎客員教授による特別講義を開催しました
平成29年11月7日(火)、今年度第6回目の新熊本学「地域社会と協働」において、本学客員教授であり前理事長の蓑茂壽太郎先生(現一般社団法人公園財団理事長・熊本市都市政策研究所長)をお招きし、特別講義を行っていただきました。
冒頭、総合管理学部の澤田准教授から講師の紹介があった後、蓑茂先生から「人口減少社会とパブリックスペース~成熟社会の到来を受けて~」と題してお話をいただきました。
まず初めに、「人口減少社会に注目する」をテーマに、人口ピラミッドや具体的な数値データを示されながら、生産年齢人口の減少や高齢者人口の増加に伴う労働力不足や社会保障費の増大等の諸問題、働き方改革等について丁寧に分かりやすくお話をされました。
次に、「なぜパブリックスペースなのか」をテーマに、パブリックスペースに必要なまちづくりの4条件(安全性、効率性、保健性、快適性)や、これまでの熊本市のグリーンインフラの取組、熊本地震後の復興の取組を例にお話がありました。
終盤には、「公共の担い手と行財政改革」をテーマに、人口減少社会においては税収も減り、行政が税金でパブリックスペースを管理する時代ではなくなる。これまでの行政が担う公共から市民が担う公共へと変わってきており、包括的民間委託や指定管理者制度によるパブリックスペースの管理運営が進んでいる。加えて、地域のボランティアや企業など地域に潜在する力でパブリックスペースを運営、マネジメントしていくという新しい動きも出てきているとのお話がありました。また、熊本市の桜町・花畑町周辺地区を例に、中心市街地の再デザインとパブリックスペースの取組についてお話をされました。
最後に約300名の受講者、特に学生に対して、「これから公務員を目指す人たちには政策実行能力に加え、政策立案能力が、大学教員には政策研究の経験が、そして政治家には住民の要求を政治に昇華する能力が求められる。今後、更なる多様性、ダイバーシティが求められる時代が来る。皆さんは政令市にある大学で学んでおり、様々な講演に触れる機会がある。熊本県内には豊かなフィールドもあるので、様々な分野でいろいろな経験を積んでほしい。」とエールを送られ、大変充実した講義となりました。
【「新熊本学」について】
本学では、理論と実践の総合性を志向しており、フィールドワークや県内企業経営者等による講義を通じ、理論だけでは得られない総合的な学習を講座として「新熊本学」を開設しています。
【新熊本学「地域社会と協働」について】
私たちが住んでいる地域社会では、少子高齢化・人口減少・自治体の財政悪化など、解決すべき様々な課題が存在します。そこで、本講座では、県や市町村などの行政機関やNPOなどで活躍する方々を講師としてお招きし、実際の活動についてお話しを聞くことで、地域における協働の理論と実践を学びます。
本件に関する問い合わせ先
熊本県立大学 事務局 教務入試課教務班
TEL 096-383-2929 / (直通)096-321-6609 / (FAX)096-383-2364
〒862-8502(大学専用郵便番号:住所記載不要)
熊本市東区月出3丁目1番100号