安田公寛客員教授による特別講義を開催しました
安田公寛客員教授による特別講義を開催しました
平成29年11月27日(月)、本学客員教授であり前天草市長の安田公寛先生をお招きし、特別講義を行っていただきました。
冒頭、総合管理学部の澤田准教授から講師の紹介があった後、安田先生から「市町村行政の役割」と題してお話をいただきました。
まず初めに、地方自治体の役割として、市民の安全・安心を確保し生命財産を守ること、福祉向上と豊かな生活実現のために行政を執行すること、民主主義の学校であること(地方自治は民主主義の最良の学校:ジェームス・プライス)について説明され、実際に天草市のリーダーとして、災害への備えや市民の幸福量の最大化、民主的な市政運営を心掛けながら、様々な施策に取り組んできたとのお話がありました。
次に、「天草市の事例」による合併のお話がありました。天草市の2市8町の合併の背景として、道路が整備され、自動車が普及したことによる生活圏の拡大や住民ニーズの多様化、高度化に対応すべく、生活圏に合った行政組織の形成や行政基盤の強化が必要であったこと、また、地方分権社会への対応として、地方分権一括法の施行により、国と地方の役割分担が明確化され、地方公共団体の自主性・自立性を高めることが求められたこと、進行する少子・高齢社会への対応、国の財政逼迫を理由とした構造改革、行財政改革、特に三位一体の改革(国庫補助負担金の廃止、税財源の移譲、地方交付税の一体的見直し)が地方の財政状況を逼迫し、合併を進める大きな要因になったとのお話がありました。
次に、「天草市の概要」について、天草市の人口減少のメカニズム、高齢化率の上昇や、第1次・第2次産業就労者の減少に関する状況や課題について、具体的なデータをもとに丁寧にお話をいただきました.
終盤には、天草市が抱える課題に対応すべく取り組まれた「天草市づくりの主要政策」の中から3点の政策(天草アーカイブスの設置、世界遺産への取組、Ama-biZアマビズ:天草市起業創業・中小企業支援センターの開設)について、取組の経緯や成果についてお話をいただきました。また、政策実現に向けては、行政情報の積極的な開示・提供、市民と行政の協働体制の確立、行政評価システムを活用した行財政運営、財政運営の健全化、職員の能力の強化等が必要であることをお話されました。
最後に、学生に対して、「天草市でも熊本県立大学出身の職員の皆さんが、天草市づくりのために大いに活躍されている。皆さんも公務員を志望されるのであれば、100年後も通用するような構想を持ち、自分たちが自分たちの住むまちの歴史を作り上げるのだという強い誇りを持って進んでいただきたい。」との言葉をいただき、大変充実した講義となりました。
本件に関する問い合わせ先
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