密集した漁村集落における生活環境と熱・風環境



 天草市牛深町(旧 牛深市)の真浦・加世浦地区を対象に,密集した漁村集落における生活環境と熱・風環境の研究を行いました。

 2004年度と2005年度は,有明工業高等専門学校の加藤浩司准教授の研究室と共同で研究を行いました。2006年度から2008年度は,本学の細井昭憲准教授の研究室と共同で研究を行いました。

 この研究では,毎年8月に1週間ほど,天草市牛深地区(旧 牛深市)に研究室全員で泊まり込みで赴き,調査を行いました。加世浦地区の公民館や真浦地区の公民館を拠点に,両地区をくまなく歩き回り,朝から晩まで様々な調査を行いました。加世浦地区,真浦地区の住民の皆様には大変お世話になりました。深く感謝致します。


 「密集した漁村集落における生活環境と熱・風環境」に関連する成果は,下記の通りです。

著書

日本建築学会九州支部研究報告

日本建築学会大会学術講演梗概集



農山村における風土性としての局所気候



 現代の居住空間は機械的な環境調整手法に頼りがちですが,地球環境問題の解決が急務となっている中で,先人の知恵を現代に応用することによって,環境への負荷が少ない居住空間を創り出すことは重要な課題であると考えられます。したがって,熊本県にも数多く見られる,自然エネルギーを有効に利用してきた集落や民家を調査・研究することによって,各地の気候風土に合致し,かつ環境への負荷の少ない居住空間を創造することができると考えられます。

 そこで,他集落から隔離されながら,急斜面に展開する棚田によって,これまで生活を営んできた農山村集落である八代郡坂本村の日光集落を対象として,
1)建築環境工学の視点から棚田および集落の微気象を観測することによって,自然エネルギーの実態を明らかにし,
2)農山村計画学の視点から棚田および集落の空間構成を調査することによって,ヒューマンスケールの空間構築法の有効性と自然エネルギーの有効利用のための空間構成原理を明らかにする,
ことを目的として研究を進めています。
 更に,これらの研究を総合することにより,多面的に問題の解決策を見いだそうとするものです。

 この研究は,本学の中島煕八郎教授(当時)の研究室との共同研究であり,上記の2)については,中島教授の研究室が担当されました。


 なお,「農山村における風土性としての局所気候」に関連して発表した論文は,下記の通りです。