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平野有益客員教授による特別講義を開催しました

平野有益客員教授による特別講義を開催しました

 

 令和元年(2019年)11月20日(水)に本学客員教授であり、TKU(テレビくまもと)のニュースで解説委員として活躍しておられる平野有益先生をお招きし、特別講義を行っていただきました。テーマは「城下町くまもとの存在意義」です。 

 冒頭、加藤家から細川家にわたる熊本城と城下町の成り立ちについて述べられ、明治初期に城内に初めて一般人が立ち入った際のエピソードや熊本城の解体計画、西南戦争における桐野利秋の立場の交替や天守閣の焼失、昭和に入ってからの松崎吉次郎や一口城主の試みによる天守閣・本丸御殿復元等に言及しつつ、熊本の人々が熊本城を単に仰ぎみるだけではない、自身の城と認めるようになった経緯を説明くださいました。

 次に、熊本の駅や空港に話が及びました。駅については、当初は新町周辺に造り商店街と城を結ぶことが計画されたが、蒸気機関車を嫌う周辺からの反対があった事から現在のさらに南の春日周辺に駅ができたこと、また、空港については、市内東側の本学が飛行場の跡地であることを紹介され、航空需要の増加に伴いさらに東の現在の熊本空港に移転した経緯を確認しました。

 その後、熊本市の人口の変遷について東京や福岡との比較を交えながらの紹介がありました。1921年段階の熊本市の人口12万人は九州では長崎市に次ぐ第2位であり、なお九州の中心として各種行政機関の拠点であったこと、戦後、新幹線開通等により福岡市の経済・行政両面での優位が確立していった過程にも話が及びました。

 これらの諸点を踏まえ、最後に熊本市の今後の再生に向けた次のような提言が示されました。

 現在、福岡市に大きく水をあけられた観のある熊本市だが、再生に向けての重要な要素の一つはやはり熊本城であろう。天守閣が築造された確証がない福岡城は、市民が心を寄せることができる天守閣を誂えることはできない。SAKURAMACHIビル他の中心部再開発によって生まれる景観も熊本城とその魅力を相補いあうものとなっていくであろうし、そうでなくてはならない。熊本駅前の再開発、熊本空港の民営化・鉄道延伸計画によって来訪者の増加が見込まれる中、周辺地域の豊かさと中心部の賑わいを併せ持つ熊本にとって、熊本城の存在感はますます大きくなっていく。地域の再生を担う学生諸氏には、是非、この町の成り立ちを見つめたうえで何をすべきか考え、新たな時代を切り開いていってほしい。

 町とそこに生きる人々をどう捉え、自らどう動いていくか。新たな知見とともに、思い思いに課題を受け取る講義となりました。

お問い合わせ先

事務局 教務入試課教務班

FAX:096-383-2364