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熊本県原爆被害者団体協議会様による特別公開授業を実施しました

令和7年(2025年)5月17日、本学大ホールにおいて、「被爆者が語る昭和20年8月9日の長崎」~核兵器廃絶と平和への願い~と題し、本学の共通科目「人権と文化」の特別公開授業を実施し、本学学生、一般の方など約180人が参加しました。

今年は、広島、長崎に原子爆弾が投下されてから80 年を迎えます。また、昨年は、核兵器廃絶に向け草の根運動に取組まれてきた「日本原水爆被害者団体協議会」に、ノーベル平和賞が授与されました。
今回の特別公開授業は、そのような社会的状況を踏まえ、本学が熊本県原爆被害者団体協議会に協力を依頼したことで実現しました。

まず、熊本県原爆被害者団体協議会理事の武田賴弘様に、当日の長崎の様子をお話しいただきましたが、その中で「世の中はAI(人工知能)の時代に入り、5年後10年後にはAGI(汎用人工知能)の時代になるそうだ。AIの分析力や情報力は人間の能力を超えてきたし、決定力や予想力といった分野で人間の能力を超える時代が間もなくやってくる。核兵器を使おうという決定を人間がしなくても、AGIが決定するかもしれない。核兵器が地球上に存在する以上、私たちは共にリスクを背負って生きていくこととなる。」と訴えられました。

その後、語り部の工藤武子様から、一昨年に長崎での平和祈念式典で述べられた平和への誓いを披露されると共に、原爆が投下されて間もないときに救援列車第1号に乗車して救護に当たった当時二十歳の方の体験を紙芝居形式のスライドに合わせてお話しいただきました。

最後の質疑応答で、お二人は、質問者からの問いに丁寧にお答えいただくと共に、「ノーベル平和賞をいただいたことで関心を持つ方が増えたという意味ではうれしいが、核兵器廃絶への道は世界的に困難な状態であることに変わりない。核抑止論による権力争いがある状態は平和であるとは言えない。核抑止力ではなく「人間抑止力」を大きくしていくこと、例えば、若い人たちが意識を持つことや核兵器廃絶を希求する政治家が外交力をもっと強めることが大事だと思う。」と切々と語られました。

今回の特別公開授業は、改めて平和の尊さや核兵器廃絶に向けた思いを深める貴重な機会となりました。

お問い合わせ先

事務局 教務入試課教務班

FAX:096-383-2364