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村田晃嗣客員教授の特別講義を実施しました

令和7年(2025年)7月22日、本学客員教授で国際政治学者の村田晃嗣先生(同志社大学法学部教授)による対面特別講義「またトラの世界と日本」を実施しました。

まず、現在公開中の映画「スーパーマン」に触れ、「”移民であるスーパーマンが世界を救う”という反トランプ的なメッセージが込められている。しかし、ハリウッドのエリート大卒の人々から説教されたくないという庶民の怒りには、役に立たない。これもアメリカ政治の現実を示している」と語られました。

次に、歴史的に見てもトランプ氏の再選は実は圧勝ではないこと、トリプルレッド(大統領職と上下両院の多数派を共和党が占める)であっても議会運営が困難であること、政治ゲームに大事な資源の一つに時間があるが再選後の任期が1期しかないという焦りから来る政策や言動(グリーンランド買収構想やハーバード大学との対立など)、それらの政策や言動の裏にトランプ氏の政治的計算が存在することなどを説明されました。

さらに、「アメリカファースト」が「アメリカオンリー」あるいは「アメリカアローン」に変質する危険性や、トランプ氏が任期満了となった後に起こると想定される政治の世代交代とそれに伴うジャーナリズムや経済界学術界の世代交代に日本社会は対応できるのかについても言及されました。

最後に、「日本が一番苦手な能力である「ストーリーテリング能力」を、政府だけでなく経済界、学術界、一般民間においても身に付けていかなければ、価値観の違いが際立ったアメリカと交渉していくのは難しい状況になっているのではないか」と締めくくられました。

なお、今回の対面特別講義は、全学共通科目「現代社会と政治」の1コマとして、当該科目履修者全員にオンデマンド配信されました。

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事務局 教務入試課教務班

FAX:096-383-2364