第31回日本生物工学会九州支部熊本大会(2025)において、本学大学院環境共生学研究科 食品バイオ工学研究室(松崎研究室) 博士前期課程2年生 吉原真希 さんが【学生賞(修士の部)】を受賞しました。
日本生物工学会は、1923年に設立された大阪醸造学会、日本醗酵工学会を前身とする約100年の歴史と伝統を持つ学会です。発酵工学、生物化学工学、生体情報工学、環境工学、酵素工学、動物細胞工学、生体医用工学の学問領域を含み、世界のバイオテクノロジーをリードする学会です。
詳細は以下のとおりです。
【公益社団法人 日本生物工学会九州支部HP】(https://www.sbj.or.jp/branch/branch_kyushu.html)
学会大会名:第31回日本生物工学会九州支部熊本大会(2025)
開催日時:令和7年12月6日(土)
開催地:崇城大学 生物生命学部(熊本市)
【学生賞(修士の部)】
受賞者名:◯吉原真希(環境共生学研究科博士前期課程2年生)・佐藤幸乃(環境共生学部4年生)・善藤威史(九州大学 准教授)・松崎弘美(環境共生学部 教授) ◯:発表者
所属:食品バイオ工学研究室(松崎研究室)
受賞課題:「Lactiplantibacillus plantarum PUK6の多成分バクテリオシンの輸送タンパク質に関する研究」
研究概要:乳酸菌が産生するバクテリオシンは、食品保存への応用が期待されている。熊本県球磨地方の味噌漬け豆腐から分離された乳酸菌 Lactiplantibacillus plantarum PUK6 は、少なくとも4種類の多成分バクテリオシン(plantaricins NC8、PUK6、AおよびEF)を生産することをこれまでに明らかにしている。これらの生合成遺伝子群(pln locus)の全塩基配列は既に決定され、各遺伝子の機能も推定されているが、その生産機構の詳細については未解明であった。そこで本研究では、ABCトランスポーターおよびそのアクセサリータンパク質をコードすると推定される plnG および plnH に着目し、plnG 単独破壊株および plnGH 二重破壊株を作製した。これら破壊株の対数増殖期(培養8時間)の培養液上清から得た粗精製画分はいずれも抗菌活性を示さなかった。一方で、plantaricins NC8、AおよびEF の遺伝子発現はRT-PCRにより確認された。以上の結果から、PlnG は少なくとも3種類のバクテリオシンのプロセシングおよび菌体外輸送に必須であることが強く示唆された。本研究は、L. plantarum において PlnG が多成分バクテリオシンの輸送を担うことを明らかにした初めての報告である。
【受賞にあたってのコメント】 この度は、日本生物工学会九州支部熊本大会において、学生賞をいただき大変嬉しく思います。松崎教授をはじめ、日頃からご指導くださった先生方、共同研究者の方々、研究室の皆さんに感謝申し上げます。研究を通じ、多くの学びと成長の機会を得ることができたと思います。今後もさらなる研究の発展に貢献できるよう尽力します。(吉原真希)

