12月11日、本学中ホールにて「地球のステージ」を開催しました。「地球のステージ」は心療内科医・精神科医の桑山紀彦さんが、長年にわたり世界各地の紛争地域や被災地で行ってきた心のケア・医療支援活動をもとに、現地で出会った人々の姿や思いを、語りや歌、映像を通して伝えるライブ型のコンサートステージです。桑山さんは全国各地で活動を続けられており、公演当日は、100名が来場しました。


本学では3回目となる今回のテーマは「ヒロシマ、ウクライナ、ガザ」。今年戦後80年を迎えた広島の過去と現在の映像を通し、復興を遂げた日本においても身近な場所に争いの芽が潜んでいることに触れ、平和を「自分事」として考える重要性が語られました。また現在も戦禍が続くウクライナでは、男性たちが戦場に送られ、無事に帰還できる保証のない現実や、若者が命の危険と隣り合わせで恋愛せざるを得ない状況など、今まさに起こっている厳しい現状が紹介されました。

ガザ編では、長年「地球のステージ」に関わり、今年3月のミサイル攻撃によって命を落とした現地スタッフのモハメッドさんについて語られました。昨年の公演で桑山さんが「いつかガザが平和になり、モハメッドさんが日本を訪れることが夢だ」と話していたこと、その夢が叶わなくなったことに触れながら、ご自身の思いを静かに語られました。

さらに、自分と向き合うため続けている登山の経験を通して、「戦争の心も、平和の芽も、私たち一人ひとりの心の中にある」「他人との戦いではなく、自分との戦いをやめないことが大切だ」と訴えました。最後には、参加者に向けて「自分の人生の主人公として生きていこう」とメッセージを贈り、会を締めくくりました。


終了後に国際教育交流センターで開かれた茶話会では、公演中に話題に上った映画「ふしぎな石~オデーサの碧」を上映。その後の質疑応答では、参加者から自身の考えや、平和に向けてどのような行動ができるのかなど、熱心な質問が寄せられました。