本学では、熊本県が「水銀に関する水俣条約」(2013年採択)の早期発効及び水銀フリー社会実現に向けた先導的な取り組みの支援を目的として創設した補助金を基に、水銀研究分野における国際的研究者を育成するための奨学金制度を設け、2014年度(平成26年度)より、世界各国から留学生を受け入れています。
この水銀研究留学生による新たな取り組みとして、今年度より、水銀フリー社会の実現に向けた国内外への情報発信を行っています。
その第一弾の取り組みとして、2026年(令和8年)2月23日、インドネシアの国立研究イノベーション庁(以下BRIN)において、環境共生学部・阿草 哲郎教授の指導の下、水銀研究生4名(Susi Sulistiaさん、Fuzi Suciati Sastraatmajaさん、Muhammad Ihsan Sofyanさん、Esti Mega Maulidayantiさん:いずれもインドネシア出身) が、「Melindungi Masa Depan Kita untuk Generasi Selanjutnya – Polusi Merkuri dan Inisiatif Prefektur Kumamoto (次世代のための未来を守る-水銀汚染と熊本県の取り組み)」と題した情報発信セミナーを行いました。
当日は、BRINの研究者をはじめ、現地の大学教員、大学生、高校生など、対面とオンラインとを合わせて約100名が参加しました。
4名はそれぞれ、「水俣病とその歴史」、「熊本県における水銀フリー社会実現のための取り組み」、「熊本県立大学連携大学院における水銀研究者育成の取り組み」、「水銀研究留学生としての研究成果」について発表を行いました。
また、過去に本学大学院を修了し、現在母国インドネシアで水銀研究者として活躍するWilly Cahya Nugraha氏がモデレーターとして、Tia Agustiani氏がプレゼンターとしても登壇しました。

発表後は参加者から様々な質問が寄せられました。なかでも、現地の高校生や大学生が積極的に質問する姿が見られ、「熊本県では水銀汚染を食い止めるために、どのような対策を行ったのか」、「現代の日本では水銀汚染物質をどのように処理しているのか」等の問いに留学生が答えました。
登壇した留学生は、「インドネシアで依然深刻な問題である水銀汚染について、若い世代が関心を持つきっかけとなり良かった」と感想を述べました。

また、本情報発信セミナーに先立っては、2026年(令和8年)2月5日に熊本県水俣病保健課、環境政策課の職員を講師とした、水俣病の背景や熊本県の水銀フリー政策に関する事前勉強会も実施され、本セミナー登壇者を含む水銀研究留学生6名が受講しました。

本学では、日本だけではなく世界的な水銀フリー社会の実現に寄与するため、今後も国内外において積極的な情報発信を行っていく予定です。
<関連リンク>
BRINによる紹介記事①
https://brin.go.id/news/126910/brin-gelar-diseminasi-hasil-riset-pencemaran-merkuri-di-lingkungan
BRINによる紹介記事②