令和8年(2026年)6月17日、本学客員教授で国際政治学者の村田晃嗣先生(同志社大学法学部教授)による対面特別講義「トランプ劇場と高市劇場」を実施しました。

最初に、ロシアのウクライナ侵攻と米国のベネズエラ対応を例に、「侵略」と「攻撃」の定義の違いを明確に解説されました。その中で、国際法上の違法性にも圧倒的な程度の差(犠牲者数の桁違いの差)が存在することを指摘。この「物差し」を持たずに表面的な情報だけで「どっちもどっち」と断じることの危うさを説明されるとともに、二元論に陥らず冷静な分析をすることが重要だと語られました。
また、予測不能に見えるトランプ大統領の行動の根底には、若い頃にロイ・コーン弁護士から直伝された「成功の3条件」(アタック/攻撃し続けること・間違いを絶対に認めないこと・負けても勝ったと言い続けること)という極めて主観的なルールがあることを紹介されました。こうしたルールによって現実の地政学的決断がなされていること、またこのことを理解することは国際政治の動向を予測する上で不可欠であるとも話されました。
続いて日本国内に視点を移し、高市総理の話題へ。「様々な意見はあるが、初の女性首相である点に加え、非世襲・非東京の大学出身という高市総理の属性は、世襲と東京中心主義に依存してきた日本社会の歪みに一石を投じるものであろう」と、客観的なデータを示しながら語られました。
村田先生は、政治において最も貴重な資源の1つは「時間」であると強調されました。そして、「学生にとっても大学4年間という「時間」は最大の資産で、講義1コマから1つの「キラーコンテンツ(人に話せるネタ)」を持ち帰る習慣が、将来の自分の市場価値を劇的に変える」と学生たちを激励いただきました。

全体を通して、「予測が当たったか(又は外れたか)どうかよりも、なぜそうなったかの構造を問う」という姿勢で、知的好奇心を持って社会の深層を問い続けることの醍醐味を感じられる貴重な講義となりました。