日本語の熊手
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修士論文紹介
平成14年度
  田中 利砂子 奈良・平安初期における仮名表記の意識

平安時代の字音仮名および仮名字母の動向を見ると、濁音仮名、清濁両用仮名が著しく減少し、清音仮名が清音・濁音を区別することなく全ての音に満遍なく存在し続けるという結果を得る。つまりは清音仮名が、減少した濁音仮名、清濁両用仮名に代わり、濁音を表す仮名としても用いられることが明確となる。これは、音韻学上の対立関係にも等しく、清音仮名が中心的な存在であり、その他のものが補完的なものであったという推測と、日本語の変遷上の単純化現象とを導く。
平成16年度
  喜田 登志 『疑問表現』を力の視点から考える〜「平家物語」の例を中心に〜

古代語における力の研究は、従来は意味的用法の分析に基づき、その分類を示すことに力点が置かれていたが、そのような観点からは力そのものの機能分析が困難であった。本論文は、まず、疑問詞との共起を重視した構文的な働きから力の分類を試み、係助詞、終助詞、副詞句のカテゴリーを設定した。「平家物語」では、係助詞力はほぼ疑問詞と共起し、終助詞力は共起しない。副詞句力は疑問詞に下接するものであり、係助詞の用法から派生したものと推察し得る。
平成18年度
  川俣 沙織 「は」の「対比」の用法に関する考察

「は」の用法である「主題」と「対比」の内、「対比」について考察した。従来「対比」の用法としてひとくくりにされてきた例の中に「主題化」とも言うべき用法が認められること、「は」がどのような成分を受けるかによって、「対比」の在り方に細かな違い(並行的意味特定型・幅広型・曖昧型)が生ずることを述べる。
平成20年度
  平川 しほり 「とかく」「とかくに」について

夏目漱石『草枕』に、「兎角(とかく)に」の使用例がある。しかし、「とかくに」という語は、現代語ではほとんど用いられない。一方、「とかく」という語は『萬葉集』には見られないが、『竹取物語』『枕草子』『源氏物語』などには見られ、平安時代に既に見られる言葉である。しかし、「とかくに」については古典作品上でも用例がほとんど見えない。本稿は、この「とかく」及び「とかくに」の意味的変遷について分析する。本稿が注目するのは、「とかく」「とかくに」の副詞としての主観的なはたらきである。
平成21年度
  石ア ひろみ 『明暗』−登場人物を中心に−

夏目漱石『明暗』を、語りが登場人物をどう評価しているかという作品論の立場から論じる。とくに、その評価が小説技法としての「則天去私」とどのような関わりを持ち得るのかについても考察する。
  佐澤 有紀 無助詞文を考える

格助詞の補完を拒否する無助詞の文についての考察。係助詞「は」の脱落・省略として、また、無助詞という独自の機能を持つものとして論じられてきた文について、それらのどちらとも考えにくく、無助詞文がそれぞれ独立した二項が結びつくことで主題的な解釈を可能にする文のタイプとなっていることを論じる。
平成22年度
  佐藤 友哉 命令文の諸相−働きと意味分化及び対「話者自身」−

肯定命令文の内、動詞単独で命令形を取る文(例「走れ。」)と、否定命令文の内、動詞の終止形にいわゆる禁止を表す終助詞「な」がついた形式を取る文(例「食べるな。」)について考察した。まず、それぞれの形式に見られる動詞の性質を探り、両形式ともに動作性と動作主格みずからの「内的な力」が必要なことを主に述べた。これらをもとに、それぞれの形式の文の働きと各用法の意味が生じる仕組みを論じた。周辺的な問題として話者自身を対象とした命令文(例「がんばれ。」「あせるな。」)を論じ、この文を、発話状況に見られる制約から、他者を対象とした命令文の特殊なあり方と位置づけた。
平成24年度
  古賀 敦子 「ての」形式をとる連体修飾表現の考察

「バットを使っての練習」などの例に見られる「ての」について、その接続の様相と意味的特徴を考察した。「て」と「の」の結びつきは、「の」の機能が第一義的に連体修飾構造の形成にあること、「の」の前件における必要条件が弱構文性(=相対的に述語用言との関わりが弱いこと)であること、といった「の」の特性であることを述べる。更に、接続助詞「て」の意味・用法の中でも「ての」形式となり得るのは動作の「継続性」を表すものに限られることを確認する。
平成25年度
  費 雪炎 現代日本語の文末における判断表現の諸相

仁田義雄により認識系の<判断>とされる文末助動詞について、根拠のある推量か否か、必ず根拠が必要かの観点から分析することで、言表事態の蓋然性の程度に基づき推量の段階差があることを論じ、とくに「のだ」「わけだ」については、話者の認識内に聞き手の認識に対する推量判断が見られること、自己の認識を述べる場合は<言表事態めあてのモダリティ>に傾き、聞き手に対する働きかけの場合は<発話・伝達のモダリティ>に傾くことを論じた。
平成27年度
  曹 長会 「は」の用法とモダリティ

現代語助詞「は」が「取り立て」機能により主題用法と対比用法を持つことを確認した上で、仁田義雄のモダリティ論に基づき、「は」が「言表事態めあてのモダリティ」と関わりつつ、働きかけ、表出、述べ立ての文では「発話・伝達のモダリティ」との関係性が弱く、結果論的な関わりと考えられる一方、問いかけの文では関係性が強いと考えられることを論じた。。