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国連事務次長・軍縮担当上級代表 中満泉氏による特別講義が行われました

令和3年(2021年)12月16日、もやいすとグローバル育成プログラムの「もやいすとシニア(グローバル)育成」科目の一環として、日本人女性初の国連事務次長であり、軍縮担当上級代表を務める中満泉氏による特別講義が行われました。 

講義は中満氏在住のニューヨークと本学の大ホールをオンラインで繋ぎ、さらに学外に向けて配信するハイブリッド形式で行われ、当該科目の履修学生に加え、講義に関心のある本学の学生及び教職員72名、また、他大学の学生及び大学関係者29名のほか、本学と熊本県教育委員会との連携協定等のネットワークを通じて、県内の中高生及び教員417名等を含めた、合計536名が聴講しました。

まず、中満氏は自身が国連で担当する「軍縮」という仕事について、世界を安全に、戦争にならないようにするための安全保障のためのツールであるとし、人々に対し専門的で難しい言葉を向けるのではなく、なぜ軍縮が大切なのかを、人間を中心に据えて分かりやすく伝え、働きかけていくことが国連の役割だと話しました。

中満氏は、元々軍縮に関する専門知識を持っていたわけではなかったと言い、アントニオ・グテーレス事務総長からの「新しい視点で軍縮を考えてほしい」というオファーにより現職に就任、実際に紛争地で人道支援や難民保護にあたったことや、国連平和維持活動(PKO)局で中東・西サハラの激戦地を主管したこと等、これまでの様々な経験が今の仕事に活きていると語りました。中でもとりわけ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)で高等弁務官を務めていた故・緒方貞子氏の「国際環境が大きく変わる中では、既存のやり方を続けるのではなく、問題を解決するために本当に必要なことを考えて実行する」という考え方は、中満氏の仕事に大きな影響を与えたそうです。

中満氏は自身のこれまでの経験を踏まえ、これから社会に出る若者たちに向けて、「紛争や気候変動等、世界で起こっている様々な問題を自分の問題と捉えて考えてみてほしい。身の回りの問題を家族や友人と議論し、その輪が広がることで物事は変わる」とアドバイスを送りました。

また、本学学生からの「国際機関で働くために大切なことは?」との問いに対しては、「日本の常識が通用しないような場所でも、その違いを面白いと捉えられるようなパーソナリティが大切。自身も一日の終わりには気持ちをリセットして次の日に持ち越さないなど、楽観的なメンタルを保てるように工夫している」と答えました。その他にも、学生・生徒からの様々な質問に対し、自身の学生時代の経験や子育てとキャリアの両立について等、国際的リーダーとしての輝かしいキャリアの背景にある様々な一面についても見せてくださいました。

聴講した学生・生徒からは「これからは、国際的な問題を自分事として捉え、考えていきたい」、「これからのキャリアを考えるための良いきっかけとなった」等の感想が寄せられました。なお、当日の様子はテレビニュースや新聞でも取り上げられました。

◆「もやいすとグローバル育成プログラム」とは
地域課題に柔軟に適応し、グローバルな視点を持って活動できる学生を育成することを目的として、1年次から4年次までの体系的な学びを提供するプログラム。詳しくはこちら

◆「もやいすとシニア(グローバル)育成」とは
ビジネスパーソン講話や短期英語研修を通して、異文化理解や英語運用能力を深めるための科目

担当教員: Richard Lavin 教授、田中 耕太郎 特任教授

お問い合わせ先

国際教育交流センター